「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」感想


 映画史上もっとも有名なシリーズにして、その後のSF作品に多大な影響を与えた金字塔スター・ウォーズ。配給会社をウォルト・ディズニー・カンパニーに移し、スター・トレック イントゥ・ダークネスJ・J・エイブラムス監督で、新シリーズ第1章をリスタート。

 当ブログでも書いたとおり、旧シリーズ6本を鑑賞したのは、本作が公開される半月の間だったりする。世界中に熱狂的なファンを持つ本シリーズだけに、いつかは観なければと思いつつ、なかなかタイミングが掴めず、これまでずっとスルーしてきたが、本作公開を前に、一応映画ファンの末席を汚す者としては、そろそろ消化しておいた方がよいだろうと意を決し、ついにTSUTAYAでまとめてレンタルした次第。

 とはいえ、ネット界隈ではいつも以上にネタバレ回避にピリピリしているこの現状で、下手な事を書けば一瞬で袋叩きは確実。もちろん、普段からその辺については人一倍気を使っているつもりではあるが、できるだけ内容には触れず、当たり障りのない漠然とした書き方をしなければならないのが、正直辛いところ。
 まあ、いつもとそんなに変わらないけどね(笑)。


 さておき。誤解を恐れず言うなら、本作のファンが「もし続きがあるなら、こんな物語が観てみたい」を具現化した、いい意味でものすごい金のかかった「ぼくのかんがえたすたーをーず」
 ところどころにオリジナル(特にエピソード4)を彷彿とさせるストーリー展開や構成をあえて盛り込み、シリーズへのリスペクトを覗かせる一方、現代だからこそ可能な映像技術、新要素をプラスすることで、正統な進化を目指そうとしている点はグッド。
 戦闘機でのドッグファイト、レーザー光線飛び交う銃撃戦ともに、J・J・エイブラム節炸裂の迫力で、煩型のオールドファンからすれば、「こんなのスター・ウォーズじゃねぇ!!」のかもしれないが、純粋なSFアクションとしては、非常に「分かってる」出来だったと評したい。

 新進気鋭のデイジー・リドリー演じる主人公レイを中心にしつつ、シリーズファンにはお馴染みのハン・ソロチューバッカといった面々、さらに謎の覆面男カイロ・レンといった登場人物一人ひとりもしっかりと機能し、壮大なスペースオペラを彩る群像劇としても見応えあり。
 新ドロイドBB‐8とのやりとりも面白く、特に、ファースト・オーダーを裏切り、レイ達と行動を共にする元ストーム・トルーパー・フィンとの会話(?)は、言語を越えた愛嬌とユーモアが多分に感じられた。

 確かに、新3部作の第1章という事もあり、まだまだ謎の部分も多々ありつつ、やや駆け足気味でご都合的な、例によって詳しくは書けないが、全部フォースの導きで片付けるには、ちょっと無理やり過ぎないか、という面も見受けられた。
 また、やはりシリーズファンには衝撃的なクライマックスのある展開も、賛否が大きく分かれるところと察する。個人的には、過去シリーズの血統をしっかり継承しながら、そこに寄りかからず、本当の意味での新シリーズへと生まれ変わらせる決意の意思表示のようでもあり、肯定的に捉えているつもりなのだが、これも小生がつい最近本シリーズを消化したばかりのニワカだからではない、はず、多分。

 中には、配給がディズニーになったせいか、内容がまるでプリンセスストーリーのようだと評する方もいらっしゃるようだが、今後より良いものが出来るなら、それはそれでいいんじゃないかと、勝手に思ってみる。

 余談を言えばクライマックス手前、フィンと対峙したストーム・トルーパーが装備していた巨大電撃トンファーが超カッコよく、実物大のレプリカがあったら値段によっては買おうかと本気で思ってしまった(笑)。次回作、できれば今度は両手持ちでお願いしたい。

 それから、序盤からとてつもないインパクトを放ち、他のトルーパーとは一線を画す強者をオーラを滲ませていた女隊長キャプテン・ファズマの、意外なドジっ子っぷりがかなりツボに入った。
 ぶっちゃけ、一刻も早く薄い本を出してh(以下略)。


 ともかく。我ながら想像以上にあっさりふんわりした感想になってしまったが、過去作を何となく知ってる程度でも十分楽しめる内容なので、ここから本シリーズを観始めようという人にはうってつけかと。まあ、特別篇のロゴマークが出るタイミングが、0コンマ何秒遅いと激怒するような熱狂的オリジナル原理主義者には、あんまりオススメはできないけどね(笑)。


 ☆☆☆★★++

 いいじゃん、時代が変われば作品の作り方だって変わるもんだろ。これはこれでいい作品だと思うよ。星3つプラスプラス!!