謎の電話について

  仕事から帰って、ニコ動で配信アニメを消化していた時の事。家の電話が鳴り、母親が出るも、すぐに小生に手渡される。

 「誰から?」と聞いても、「分からん」「話したら分かるって言うてる」の一点張り。仕方なく、電話に出てみる事にする。

「もしもし、お電話替わりました。○○(小生の本名)です。」
「えっ、ああ…、○○ですか?××(向こうの名前らしい)です。」

 いきなり呼び捨てもどうかと思ったが、それ以上におかしな点が。

「…あの、どちらの××さんですか?」
「…えっ、あ、あの、だから××です」

  だーかーらー、そういう事じゃなくてだね!

「××さんは分かりました。ですから、どちらにお勤めの、何ていう部署とか、そちらの素性をお教えいだたけませんか?」

数秒の沈黙の後。
「…××、です」
「………ッッ!!!(深く深呼吸)あの、こちらが申してる意味、ご理解いただけてますか?だから、これこれこういう会社の、こういう案件でとか、小生とどこどこでお逢いしたとか、そういう事を…」
「ああ、半年前に仕事辞めて、今フリーター…」
「じゃなくてだね!!!」

 どうやら電話口の向こうで、相手はパニックに陥ってる様子。声を聴いたら自分が何者であるか、簡単に分かるとでも思ったのだろうか。それにしたって、ノーヒントすぎる。

「分かった、分かりました。とりあえず、本日はどのようなご用件でお電話いただけたのか、それだけお伺いしてもよろしいでしょうか」
「…あ、えっと、日時を、どうしようかと思って、〇〇の都合のいい日を…」
「何の、日時ですか?」
「き、聞いてない?」
「何を?」
「だから、え、えっと、日時を…」

 プッチーーン!小生の中で何かがキレた。

「お前ええ加減にせいよ!さっきから自分の素性は明かさんわ、突然日時がどうじゃあ言い出すわ、具体性が1ミリもないんじゃ!!こっちもヒマじゃないんよ!お前のために浪費する時間がもったいないんよ!!なあ知ってるか、時間って有限なんよ、資産と同じなんよ。お前とこうやって不毛な会話を続ければ続けるほど、こっちの時間が一方的に浪費されていくんよ。お前のために無駄にした時間、どうかして返してくれるんか?なぁ、お前一回ツタヤ行って「TIME」って映画借りて観て来い。アマンダ・サイフリッドが出てるヤツな。あの映画の世界やったら、お前はれっきとした窃盗犯ぞコラ。とにかく、お前はどこの誰で、何の用件で電話して来たんか、具体的に、簡潔に、できるだけ短い時間で話せ!!」

 一度、母親が「どうしたん?」と部屋をのぞきに来たが、なんでもないと手で追っ払う。受話器の向こう、軽く涙声になりながら、「そ、そんなに怒らんでもぉ」みたいな事をグジグジグジグジ。泣くな、5秒以内に用件言わんと切るぞ、と伝えると、慌てたようにようやく応えた。


 …どうやら、相手は高校の同級生で、今度同窓会をやるから都合のいい日を教えてほしい、という事らしい。当然、「誰が行くか、ボケ」と吐き捨てて、電話を切ったけど。アホか、ただでさえほぼ全員名前も顔も覚えてない、十把一絡げのクソみたいな連中と酒を飲まねばならんのだ。

 しかし、同級生という事は、小生と同い年、つまりおおよそアラフォーのオッサンが、あんなに応対ができないもんか。普通なら、全工程30秒もかからんぞ。ちなみにコレ、かなり簡単に書いてるけど、実際には10分近くかかってます。
 そりゃぶっちゃけ、仕事ないわー。悪いけど、小生が雇い主なら、まず採用しない。それ以前に、なんであんなのが、同窓会の幹事やってるんだろう。他の連中に連絡係にさせられたんだろうか。それにしたって、驚くべき人選ミスだ。


 というわけでみなさん、怪しい電話がきた時は、即効で電話を切りましょう。時間とお金は大切に!!(エー)