「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」感想
2012年公開「アベンジャーズ」の続編にして、マーベル・シネマティック・ユニバース第11弾。ロキの杖に埋め込まれた宝石の中に、人工知能らしきものの存在を発見したトニー・スターク(アイアンマン)は、それを使った平和維持計画「ウルトロン計画」を発案するが…。
「ついに最終決戦!」と銘打たれた本作だが、実質、RPGで例えるなら中ボス戦といった印象。確かに、今後の展開にとって大きな意味を持つ分岐点的な位置付けとはいえ、いろいろとアラの目立つ出来だった。
全編に渡って定期的に挿入されるアクションシーンは、どれも非常に良好。冒頭のチーム戦をはじめ、ウルトロンの強襲、ハルク対ハルクバスター(超カッコいい!!)等、個性溢れるメンバーならではのアイデア満載で、見応えアリ。
また、登場人物それぞれ(敵役であるウルトロンも含め)の内面にフォーカスする事で、ドラマ面も強化。各々が信じ掲げる正義という、単純な勧善懲悪ではない哲学的なテーマを内包しつつ、一人の人間として命を賭して守るべきモノ、愛する者を主軸に置き、壮大な物語をマクロとミクロ、両面から描いている。
が、それら一つ一つのパーツは確かに良いものの、繋いで一本の映画として観た場合、どうしてもバランスの悪さが目につき、間延びする場面がしばしば。特に、クライマックスの一連のシーンは、少々時間をかけ過ぎな上にテンポも悪く、観ていて疲れてしまった。あまり詳しくは書けないが、例えば、防衛戦と救助活動を同時進行で行った方が、スピーディー且つ画面にもスリリングな緊張感が生まれたと思うのだが。
また、序盤から中盤にかけて、アベンジャーズ達がスカーレットウィッチの精神攻撃でグダグダになる件も、見た目も何が起きているか分かり辛く、退屈に感じる人も少なくないと察する。今後に関わる重要な場面とはいえ、もう少し何とかしていただきたかったところ。
あくまで素人の見解だが、尺的に1時間半前後で収めるべきストーリーを、継ぎ足し継ぎ足しで無理やりもう一時間弱引き伸ばした皺寄せが、こういう形で露見したように思える。どうせ尺を割くのなら、スカーレットウィッチとクイックシルバーの姉弟を、もっと深く掘り下げてほしかった。魅力的なキャラクターであり、今後も活躍が期待される二人だけに、もったいない。
(ちなみに、「X-MEN: フューチャー&パスト」に登場したクイックシルバー(演:エヴァン・ピーターズ)は、本作とは別次元のキャラらしい。まあ、アメコミではよくある事だよ)
ファンにはお馴染みの、あの人物(?)が何の予告もなく登場したり、相変わらずブラック・ウィドウ演じるスカーレット・ヨハンソンがエロくて素敵だったのと、ハルクを飼いならすムツゴロウさんみたいになってちょっとウケたりと、観るべき点やサプライズは多々あるが、それと同じか以上に欠点が浮き彫りになった、非常に残念な作り。
この調子で、来年公開予定の「シビル・ウォー」は大丈夫なんだろうか…。原作どおりなら、トニーとキャップが敵対…いや、何でもない。
で、さらにその後の2018年頃には「インフィニティ・ガントレット」をやるそうだが、本当にアレを映像化できるのか、今から心配。映像面がどうとかより、内容的に、という意味で。つーかアレも、原作どおりならホークアイとファンタスティック・フォー出られな…いや、何でもない。
まあとにかく、次回作は短尺でもいいんで、しっかりとした内容のモノをお願い。大作っつっても、長けりゃいいってもんじゃないんだから、中身で勝負しようよ、マジで。
☆☆☆★★
ところで「ディスクウォーズ」の2期まだー?星3つ!!
|
|
|
|
|