十周忌について

 明日7月11日は、破壊王ことプロレスラー・橋本真也が亡くなって、ちょうど10回目の命日です。

 小生が橋本真也を初めて意識したのは、確か1998年のG1クライマックス決勝を、たまたまバイト帰りにつけたテレビで観たのがきっかけでした。
 それまで、プロレスにはほとんど興味がなく、有名なレスラーの名前を何となく数人知っている程度。しかも、スト2ザンギエフに代表される鈍重としたイメージしかありませんでした。しかし、その試合で山崎和夫選手のハイキックを鮮やかに交わしての水面蹴りを食らわせるンコ型のレスラーのあまりのカッコよさに、一目で心を奪われ、同時にレスラーに対するイメージを瞬く間に払拭されました。

 その後、訳あって大阪から実家のある山口に帰ってきた後も、雑誌やレンタルビデオ屋、あるいは数少ない友人から情報をかき集め、彼の事をいろいろと勉強し、そのうち、武藤敬司大谷晋二郎など、他の選手の事もファンになっていきました。ネットが使える環境になってからは、当時抗争を展開していた小川直也との対決について、ファンの方達と掲示板で意見を交換したり、時には激論を繰り広げる事もありました。小生にとって橋本真也は、プロレスという壮大な物語の主人公ともいうべき存在でありました。

 彼の訃報を知ったのも、またネットでした。その日、何気なく眺めていたニュースの一覧に橋本真也、死去」との一文を見つけた時は、何が書いているのか、何の事を言っているのか頭が理解できず、そのままスルーしかけました。一瞬後、あわてて読み返したものの、やはり事の重大さを受け入れらず、しばらくその場で思考が停止し、母親が声をかけるまで、ずっと硬直していたそうです。ドラマなどでよく見かける、ショックを受けると持っていたコップをストンと落とすという演出、あれは実際にある事なんだなと、その時身をもって体験しました。

 その後は、小橋健太棚橋弘至といった選手に注目しつつも、あの頃のように熱中する事はありませんでした。それでも、今なお少なからずプロレスを好きでいられるのは、やはり橋本真也という偉大なレスラーが、小生のその素晴らしさと熱さを教えてくれたからに、他なりません。

 年末、当ブログで勝手に表彰している「マイMVP」も、そんな彼からもらったプロレス愛を忘れないためという想いを込めて、毎年東スポプロレス大賞と同日に発表しているつもりです。現在、オカダカズチカに代表される、次世代を担うべき若いスター選手がゾクゾクと登場しています。もちろん、彼らはみな素晴らしい選手であり、この先もプロレス界を盛り上げてくれる宝でしょう。しかし、小生にとって最高のチャンピオンは、そして最愛のレスラーは、未来永劫に橋本真也です。


 橋本真也、あなたがプロレスラーでよかった。あなたに出逢えて、本当によかった。ありがとう、ありがとう。

 改めて、合掌。


 はい、明日は献杯もかねて昼間から飲みます(笑)。