「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」感想
仮面ライダーとスーパー戦隊によるクロスオーバームービー第4弾。仮面ライダー1号、2号が倒された事で歪んだ歴史世界で、ドライブが謎の仮面ライダー3号とともに、ショッカーに戦いを挑む。
正直前三作は、いかにも寄せ集め的なやっつけ仕事といった観バリバリでイマイチだったが、今回は打って変わって非常に良い出来。もちろん、お約束なツッコミどころはあるにせよ、ようやく本シリーズの方向性が見えてきたという感じ。
まず何をおいても、及川光博氏演じる黒井響一郎=仮面ライダー3号がとにかくカッコいい。1号、2号をベースにした、原点回帰的でムダのない、それでいて圧倒的な強さと底知れない闇を感じさせる秀逸なデザインもさる事ながら、ミステリアスな存在感がミッチーのキャラクターと見事にマッチ。物語を気持ちよく牽引すると同時に、適度な緊張感を画面に与えている。
また、主要人物を極力絞る事で、これまでのゴチャゴチャ観を払拭。登場する他のライダー達も、ゼロノスは歴史改変の謎を探るため3号を監視する役、ファイズは子供達の夢を守るアウトロー、ダディはいつもどおりのダディといった具合に、元の作品に則したポジションとなっているのもグッド。
誰が敵か味方か分からない一触即発の雰囲気に、ドライブらしい謎解き要素もプラス。タイトルにもなっているライダーグランプリと、クライマックスのオールライダー戦もなかなかの熱さで、特にライダーGPゴール手前のデッドヒートには、結末が想像できながらも手に汗握ってしまった。
ぶっちゃけ、最後の方に何の前触れもなく現れて、美味しいところを持って行くニンニンジャーや、あのオチはどうかと思うし、主要キャラ以外のライダーが完全にモブ扱いなのも少々引っ掛かるが(昨年主役を張った鎧武も含め)、多少強引な面もあるものの、全体的にうまくまとまっていた印象。おかしな表現だが、今回はちゃんとした「ヒーロームービー」になっていたのが、一番大きいと察する。
しかし、クロスオーバーを謳いながら、ここまで仮面ライダーばかりがフィーチャーされるのは如何なもんかと思うが、スーパー戦隊にはショッカーのような悪の代表みたいな存在がいないので、やはり難しいのかもしれない。復活した黒十字軍が全てのスーパー戦隊を倒した挙句、地球侵略のための尖兵として洗脳…では、確かにちょっと弱い。
とはいえ、仮面ライダーも長年ショッカーばかりと戦っていては、いい加減マンネリになってしまうところ。ここは一つ、平成ライダーで度々名前が出てくる財団Xと、そろそろ決着をつけては如何か。ライダーが与り知らないところで、実はスーパー戦隊がこっそり壊滅させていた、とか(笑)。
少し欲を言えば、3号の愛車トライサイクロンのシフトカーも出てきてほしかったが、まあとにかく、チビッコから大人まで、幅広く楽しめる作品。仮面ライダーブラック演じる倉田てつを氏の勇姿と、関智一無双にも注目(笑)。
☆☆☆★★+++
「レッツゴー!!ライダーキック」が流れるシーンは鳥肌モノ、星3つプラス3つ!!
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