「マッハ!無限大」感想


 世界のアクションスター・トニー・ジャーの映画復帰作。

 ちなみに、タイトルこそ「マッハ!」だが、実際には2005年公開トム・ヤム・クン!」の続編との事。

 さておき。トニー演じる純朴ムエタイ青年カームが、象を巡って犯罪組織とガチンコの殴り合いを繰り広げる、お約束の展開はまったくそのまま。
 さらに今回は、チョコレート・ファイターでその名を世界に轟かせたアクション女優ジージャー・ヤーニンとの共演という事もあり、華やかさもプラス。ビルからビルへと飛び移る超絶パルクールに、一触即発電流デスマッチといったアイデアも相俟って、104分間ギッシリの壮絶アクションを堪能できる。

(なお、ジージャーは2012年に結婚、出産しているが、本作の撮影はそれより前に行われたそうな。)

 例によってストーリーはあってないようなもので、今回は趣向を凝らしてか、サスペンス的な要素も含まれていたものの、お世辞にも上等とは言えず。また、今まで頑なに拒否してきたCGやワイヤーを取り入れた事により、これまでのシリーズにはない映像を撮れるようになった反面、ある意味の「雑味」が混じってしまったように感じられた。
 何も、そういった特殊効果が悪いとは言わないが、使い慣れてないツールを試しに使ってみた観、とでも言おうか。技術面の問題もあるが、アジア系映画の特徴であり魅力でもあるいい意味での土臭さ、そしてトニーのスーパーアクションに、それらが上手く適応できておらず、ために過去作と比べると、トーンダウンしている印象を受けてしまった。

 もう一つ個人的な事を言うなら、前半から中盤のバイク集団のシーン。確かにここでも、トニーならではの超危険度スタントが目白押しで、手の汗握る場面の連続なのだが、あまりに尺が長すぎた。たっぷり見せたいという思惑は分かるとしても、同じようなアクションを10分以上も延々とやられると、さすがに胸焼けを起こしてしまう。あの辺をもう少し整えられれば、全体のバランスもより良くなったのではと、勝手に推測する。

 まあとはいえ、ぶっちゃけ本作を観に来る客に、そんな御託を求めている輩なんざ一人もいないだろう(暴言)。とにかく、何も考えず、ただただトニージージャーが大暴れする姿を目に焼きつけ、スカッとするのが正しい作法と察する。例によって鑑賞後、意味もなく飛び膝蹴りしたくなる事ウケアイ(笑)。


 はい、これ以上書く事もないので、今回はこの辺で。


 ☆☆☆★★++

 トニー、次は武田梨奈と共演せんかなー。「ワカコ酒」以外で(エー)。星3つプラスプラス!!