「仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武 MOVIE大戦フルスロットル」感想


 年末恒例、新旧仮面ライダーのクロスオーバームービー。

 まずは一本目、仮面ライダー鎧武 進撃のラストステージ」

 「個」を否定し、全宇宙を一つのシステムの元に融合せんと企む機会生命体・メガへクスに、アーマードライダー達が挑むわけだが、実質的な主人公はミッチ=龍玄主任=斬月呉島兄弟

 某妖怪先生の生徒役で忙しいのか、鎧武の出番が冒頭と最後の方だけに限られたためでもあるのだが、考えてもみれば、テレビシリーズの最終回で、神にも等しい存在となった鎧武から地球の未来を託された二人がメインになるのは、必然と言える。

 メガへクスの力により復活したプロフェッサー戦極の新フォーム・ドラゴンアームズと、実は初となる兄弟ライダーの共闘もなかなか熱い。

 欲を言えば、他のアーマードライダー達も、黒影トルーパーからベルトを奪って参戦、または未登場のジンバーメロン装着も観てみたかったが、これまでの劇場版と比べれば、よく出来てた方かと。


 続いて二本目、仮面ライダードライブ ルパンからの挑戦状」

 突如、仮面ライダードライブ特状課に挑戦状を叩きつけてきた謎の怪盗アルティメット・ルパンとの、仮面ライダーの名をかけての対決を描きつつ、ベルトさんの過去とドライブ誕生秘話にも触れる。
 
 今放送中のテレビシリーズの番外編といった趣き。とはいえ、元がそこそこ出来のいい作品なので、それなりに面白い。まあ正直、中盤の謎解き(?)は本当に必要だったか、そもそも何でルパンピース綾部なのか、いろいろ疑問の残るところだが、気合の入ったカーチェイスと、ルパンとの対決シーンはさすがの迫力。

 あと、相変わらず霧子さんの黒パンストが(以下略)。


 そして3本目、「MOVIE大戦フルスロットル」

 強化ロイミュードZZZのボディを手に入れ、完全体となったメガへクスに、ドライブ鎧武のタッグが最後の戦いに挑む。
 こちらはまたいつもどおり、敵味方入り乱れての大乱闘戦にはじまり、主人公二人の合体必殺技で終わる安定の内容。お約束のドライブ・タイプフルーツと、鎧武ドライブアームズはもちろん、さらにトライドロンまでフルーツバージョンに変形と、遊び心とサービス精神満載の出来で、大満足。
 個人的には、やはり復活したバロンの意外な活躍にシビれた。美味しいところを持って行くのと同時に、お笑い色も強い展開の中、最後の最後でいいアクセントとなる切なさを加えるポジションとしても、見事に機能。主人公より人気があると言われるのも、おそらくこういうところなんだろうなと、勝手に邪推してみる。

 全体としては思いのほかバランスよく、抜群ではないにせよ非常によくできた作品。「MEGAMAX」「アルティメイタム」ほどではないが、前作「戦国MOVIE大合戦」よりかなり上。新キャラ・仮面ライダーマッハもチョイ役で登場と、見応えアリ。とりあえず、今回はそんな感じで。

 ☆☆☆★★+

 てか、「スーパーヒーロー大戦2015(仮題)」やっぱりやる気なんだ…、やめときゃいいのに。星3つプラス!