「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」感想
「スーパー!」のジェームス・ガン監督、「LEGOムービー」のクリス・プラット主演。マーベルコミックスのスーパーヒーローを題材にした、「マーベル・シネマティック・ユニバース」の第10弾。お尋ね者5人が、ひょんな事からヒーロー(?)チームを結成、宇宙の命運をかけて巨大な悪に挑むSFアクションムービー。
昔からこの手の出オチ覚悟、見た目インパクト重視的な映画が面白かったためしがないのだが、これはいい意味で予想を裏切られた格好。
物語そのものは、それほど特筆するほど目新しい部分はなかったものの、銀河の星々を駆け巡り、様々な異星人やハイテクメカが所狭しと登場する様は、それだけでワクワクしてしまう。
主人公ピーター=スター・ロードの、クールなアウトローを気取るもちょっと間の抜けた、しかし熱いハートと相手を巧みに丸め込む詐欺師然とした舌先を併せ持つキャラクターも面白く、また、宇宙一の暗殺者ガモーラ、しゃべる凶暴アライグマ・ロケット、歩く植物グルート、最強の戦士ドラックスといった個性豊かすぎるメンバー達とのバランスの良さ、特に普段まったく噛み合わない凸凹ぶりが、終盤に向けて力と気持ちを一つにしていく展開は、まさにムネアツだった。
肝心のアクションは、ゾーイ・サルダナやデビッド・バウティスタ(バティスタ)といった面々の出演からも察せられるとおり、激しさの中にもユーモアをふんだんに取り入れた、全編で使われる70〜80年代洋楽ヒットナンバー同様にご機嫌な仕上がり。個人的には、刑務所から脱獄する一連のシーンがお気に入り(笑)。
軽くおちゃらけた雰囲気に加え、ノリと勢いと機転で危機を乗り越える、コメディー色の強い内容であるものの、その裏にメンバーそれぞれが闇と苦悩、あるいは拭い切れない懺悔、慟哭を胸の内に秘めた、人間ドラマとしての側面も匂わせる点も、非常に好印象。
下手にしんみりさせず、常に一定のテンションを保ちながら、最後はきっちりウルッと来させる演出もなかなか憎い。
単純明快すぎるほど単純明快、変化球に見えて意外とド直球な展開に、少々物足りなさとご都合くささを感じる人も少なくはないと察するが、下手に大風呂敷を広げる事なく、それでいてきっちりとSF冒険活劇をまとめ上げてくれた点については、素直に評価するべきであると断じたい。
しかし、序盤からあの人(?)が普通に登場したのには、正直かなり驚いた。いや、同じマーベル・ユニバース内の話しではあるし、出て来ても不思議ではないのだが、ここで繋げて来るかと。ひょっとして、「ディスク・ウォーズ」へのゲスト出演も、今後の伏線なのか?うーむ気になる…。
てか原作どおりだと、他のマーベルヒーローはもとより、娘のネビュラはあのあと結構酷い目に…、いや、何でもない。
閑話休題。
「スペース☆ダンディ」をちょっと真面目なヒーローものにしたらこんな感じに…ならんか?とにかく、見た目のイメージの、おおよそ3倍は面白い作品。続編もだが、これはマッドハウスかボンズ制作のテレビアニメシリーズで観てみたい。
☆☆☆★★+++
にしても、ゾーイって素顔の役やらないのかな…。ジョニデみたいだ(笑)。星3つプラス3つ!!
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