「アイ・フランケンシュタイン」感想


 アンダーワールドシリーズのケヴィン・グレイヴォー原作のグラフィック・ノベルを、ダークナイトアーロン・エッカート主演で映画化。フランケン博士に創造され、200年生き続けたモンスター・アダムと、彼の秘密を狙う悪魔との戦いを描く、アクションファンタジー

 とにもかくにも、展開が尋常じゃなく早い。冒頭からいきなりフランケン博士とそのカミさんが死んだかと思いきや、今度は突然悪魔に襲われ、驚く間もなくガーゴイル(天使)達が加勢、連中と一悶着あった後、また突然と200年後の現在にジャンプ。この間、尺にして10分未満という、今日日総集編でももうちょっとじっくりやるだろうってぐらいの超スピード(笑)。
 一瞬、本国アメリカには同タイトルのテレビシリーズが放映されていて、これはその再編集版なのでは?と思ってしまった。

 その後も、無駄な説明やインターバル的なシーンは一切ナシ。あとはただひたすら、アダムと悪魔とガーゴイルがドツキ合うという、清々しいほど「こういう絵が撮りたい!!」という欲求に特化したような内容。
 ぶっちゃけ、脚本家出身の監督にしては、恐ろしく淡白で薄っぺらいストーリーで、いかにも重要人物っぽい人がバタバタ死んでいったり、お前敵なのか味方なのかはっきりせえよ!ってなヤツがチラホラいたりと、かなり大雑把な作りではあるが、逆にここまで好き勝手にやってくれたら、もうええんちゃうかな?とすら思えてしまう。

 まあその分、アクションはなかなか見応えありで、特に序盤のクライマックスである、悪魔とガーゴイルの総力戦と、ラストの最終決戦は迫力抜群。正直、あんなオチでいいのか?という気もしなくはないが、思いのほか手に汗握ってしまったんで、ヨシとしよう(エー)。

 しかし、主演のアーロン・エッカート。名前はどっかで聞いた事あるけど、何に出てたっけ?と思い調べてみたら、ダークナイトトゥー・フェイスの人だった。
 首にボルトも刺さってないし、あんまりフランケンという感じはなかったが、どうせなら悪魔の頭部を両足で挟み、そのままバック転の要領で丸め込んで相手の頭を地面に叩きつける、ぐらいの事はやってほしかったところ。

 …ウン、念のため言っとくけど、今のはフランケンシュタインと、往年の名レスラー・スコット・スタイナーが開発、日本マット界では主に武藤敬司がその使い手として知られるフランケンシュタイナーを引っ掛けた(モウイイヤメトケ)。


 ともかく、だ。内容はさておいても、ダークでスタイリッシュな雰囲気を醸し出す見た目とは裏腹に、学生が考えたカッコいい戦闘シーンを金かけて撮っちゃいました的な、いい意味で厨二イズムとやりたい事は全部やりきったぜ観溢れる作品。世間での評価はイマイチかもしれないが、意外とこういうの嫌いじゃなかったりする(笑)。

 じゃ、今回はそんな感じで。


 ☆☆☆★★+

 タイトルの落とし方は、割とよかった。星3つプラス!