この所沢の片隅に その2

(その1より続き)


 我々の班がカマドの前で悪戦苦闘している頃、他の班の方達は、それぞれ別の作業を(当たり前だけど)。こちらでは、鰯を梅干の種(!)で煮たモノを調理中。


 こちらでは他の野草を刻んでおります。基本、野草はアクが強いんで、水洗いしたあと重曹につけてから調理。この辺、タケノコやワラビと一緒やな。しかし、この頃から重曹ってあったんだ…。


 で、いよいよお待ちかねの楠公に。


 楠公飯(なんこうめし)とは、空炒りして膨らませた玄米に、水を加えて炊いた、いわゆる節米料理の一種。かの名将・楠木正成が発明したとされる事からこの名がついたとか何とか。


 分かりにくいけど、ポップコーンかポン菓子(通称ドカン)みたいに膨らんでます。正直、この状態の方が美味い(笑)。ちなみに白米だと、殻がないせいかこういう風にはならないんだとか。



 水を加えて、しばらく放置。飽食の時代と言われる今だからこそ、こうしてワイワイ楽しみながらやれるけど、本当に食べるものがなかったすずさん達の時代は、家族のお腹が少しでも満たされるようにと、必死になって考えて作ってたに違いない。実際、この日一日やっただけでも、相当に大変だったのに、毎日となると憂鬱になってしまう。昔の人は偉いとは、まったくよく言ったもんだ。


 そうこうしてるうちに、煮立ってきました。このまま水分を飛ばしていけば、完成です。

 ちょいと味見。茶粥に似てるけど、塩気がないので正直美味しくはない(笑)。でも出来立てのせいか、思いのほかイケる。


 ちなみに、一晩水につけておいたバージョンも用意。隣の火であっためて、一緒にいただきます。


 さらに、馬鈴薯のお粥も調理。その名のとおり、馬鈴薯(じゃがいもの事ね)と少量のお米、それにハコベ春の七草に入ってるハコベラと同じモノ)を大量投入して作る、やはり節米料理の一種。てかもう、米の存在感ゼロじゃん(笑)。


 こちらも完成間近。甘藷(サツマイモ)とスギナ(土筆の生長したヤツ)のお餅も出来上がっております。曰く、焼くのはアドリブなんだとか。


 前回、その圧倒的な不味さから、参加者の間で伝説となったとされる興亜パン。野草はもちろん、魚粉なんかも入ってて、匂いだけだと鳥の餌みたいです(笑)。こちらは蒸篭で蒸します。


 さて、調理もだいたい終えたところで、いよいよお楽しみ(?)の実食編に突入。果たして、そこで我々を待ち受けているものとはッッ!!



(続く)















 ななっ♪