1月、2月に鑑賞した映画 その1

 えー、今年に入ってから突然仕事が忙しくなり、まだ一本も映画レビューを書いていなかった事に、いまさら気づく。年間目標である「劇場で100本鑑賞」が早くも黄色信号な上に、ただでさえ遅いレビューがこれ以上滞るとなると、もはや何のためにブログやってるのか分からなくなってしまうので、ここいらで非常に手抜きではあるが、1月、2月鑑賞した作品の感想をチラッと書いておく事にする。



 LOOPER/ルーパー
 アイディアが枯渇寸前といわれるSFムービーに、一石を投じる良作。変に設定を広げず、画面に映る必要最小限の情報だけで展開させた点は高評価。特に、現代の自分の身に起こった事が、そのまま未来の自分へと影響する仕掛けは見事で、新しい形のサスペンスの雛形を生み出したと言って過言ではあるまい。
 冒頭の世界観の説明と、中盤の展開に若干の弛み、またラストがある程度予測できてしまった点を踏まえても、一見の価値あり。

 ☆☆☆★★++



 「テッド」
 これはマジ最高。久々に本気で笑えて、ちょっとホロリとさせる、まさに看板に偽りなしの傑作。ダメ親父然としたテッドの下ネタ全開トークもさることながら、マーク・ウォールバーグの冴えないヲタ中年っぷりも似合いすぎてフイタ。本国ではスベリまくったフラッシュ・ゴードンの謎プッシュも含め、あえてB級臭さを残した映画愛溢れる作風に大満足。
 それにしても、「くまもん」には盛大に笑った。字幕版ではおそらくこういう事を言っているのだろうという想像はつくが、翻訳のセンスに脱帽。

 ☆☆☆☆★



 アウトロー
 つまらないとは言わないが、想像以上に普通。どちらが良い悪いではなく、単純に言ってトムさんジャック・リーチャーのキャラクターがマッチしていない印象。もっと言うなら、ジャック自体にそれほどの魅力を感じなかった。
 すでに続編の制作が決定しているそうだが、正直ジャックよりイーサン・ハントロイ・ミラーの活躍が見たいところ。個人的にああいう役は、ニコラス・ケイジの方が似合うような気がする。

 ☆☆☆★★



 特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE」
 毎度お馴染みの単純明快、勧善懲悪、安心安全の良心価格ムービー。ゴーカイジャーが敵として現れた理由、またゴーバスゴーカイチェンジがなかった事等、少々残念な部分はあるにせよ、アクションはもちろん、ドラマ面でもしっかりと楽しませていただいて大満足。特に、ロボ戦でのゴーカイチェンジはテンションが跳ね上がる事ウケアイ。チィ兄「なんか、しっくり来るな」には爆笑必至。

 ☆☆☆★★++



 ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」
 本年度のアカデミー監督賞を受賞した本作(鑑賞したのはその前)。すごくいい話しだとは思うし、生命の逞しさ、素晴らしさを讃えた快作だろいうのは理屈として分かるのだが、個人的にはそれほど引き込まれず。
 漂流から生還したパイが、冒頭から普通に登場していた点もそうだが、途中の人食い島やら、クジラの一件やら、感動するより先にどうしてもウソ臭さを覚えてしまう。フィクションだから当たり前ではあるのだが、なんというか、力技でもいいのでもう少しググッと引っ張ってくれる何かが欲しかったところ。
 
 まあでも、小生がヒネクレ者だからだろうな…。

 ☆☆☆★★+



 ベルセルク黄金時代篇」
 3部まとめて。原作は全部読んでるし、あの内容をうまく収めたなーとは思う反面、どうしても各話が中途半端に始まり中途半端に終わる印象を受けてしまう。今回も鷹の団壊滅からドラゴン殺しを手にする辺りまでやるのかと思いきや、「えっ、そこで切っちゃうの?」的な終わり方。面白い事には変わりないのだが、正直食い足りなさを覚える。
 製作者側が「全エピソードをアニメ化する」と宣言しちゃったそうなので、次は上記から単行本第一話ぐらいまでと予想するが、もう少し繋ぎ方を考えていただきたいところかと。

 なお、過激な内容とビジュアルばかりが取り立たされているが、映像面、演出面ともに今の日本アニメ最高水準のクオリティであるので、そちらにも注目してもらいたいと、一応フォローしておく。

 ☆☆☆★★+



 「恋する歯車」
 はっきり言えば、予算の都合か映像・演出ともに安っぽく、また若手出演陣の演技も達者とは言い難い。しかし、ことシナリオに関しては抜群に面白く、お世辞抜きにハリウッドリメイクされてもおかしくないだけのポテンシャルを秘めている作品。
 主演の小澤亮太くんの濃厚なラブシーンはもちろん、池田純矢くんイカレキャラも特筆に価する。若干、ダークナイトジョーカーを完コピしたような観こそあるものの、元気溌剌なゴーカイシルバーとはまた違った、彼の才能の一片を感じ取れる。
 どことなく香川照之さんに近い雰囲気を持っているだけに、できれば今後彼には、和製ウィレム・デフォーを目指していただきたい。

 ところで、このシリーズ第4弾はないの?

 ☆☆☆★★++


 ハイ、続きはまた明日。