「PEACE〜記憶の欠片〜」感想（簡易版）

　東映の新プロジェクト「TOEI HERO NEXT」第１弾は、「仮面ライダーオーズ」の渡部秀×三浦涼介主演によるSFサスペンス。

　はっきり言って、非常につまらない。というより、まったく畑違いの役者とスタッフが、よく分かっていないまま勢いで撮ってしまった観すらある。

　ストーリー自体はありがちなサイコサスペンスで、作りようによっては面白くなりそうな気もしなくはない内容ながら、キャメラワークやシーン編集がまるっきり特撮のそれで、緊張感も緊迫感もまるでナシ。
（特撮がサスペンスより劣る、という意味ではない。念のため）
　主演の渡部くんの演技が、お世辞にも達者とは言いがたく、グダグダな展開により拍車をかける結果に。
　例えば、渡部くん演じるライターが、ある事件をきっかけに酒びたりの生活から立ち直る過程にしても、彼の心境の変化や、鬱積した感情を、芝居も含めてしっかりと表現してほしかった。
　スタッフともども、海外ドラマなどを参考に、もう少し、いや、かなりの勉強が必要かと。

　アンクもとい三浦くん演じる多重人格者、後半から二転三転する展開等、光るモノはそれなりにあったものの、最後まで生かし切れていないばかりか、物語上本当に必要だったのか、蛇足的要素にまで落ち込んでしまっているのは残念無念。

　どちらか言うと、東映特撮ドラマを観ていた人向けのファンムービーといった色の強い作品で、聞けば既に本シリーズ第二弾の制作も決定との事だが、客から金を取る以上、それに見合うだけの作品に仕上げていただきたいところ。
　個人的に、渡部くんと三浦くんは嫌いではないので、今後の精進と活躍と期待したい（ちょっと偉そう？）。

　☆☆★★★

　でも、EDのアンクちゃんの歌はよかった。星２つ！