「るろうに剣心」感想（簡易版）

　和月伸宏原作の人気剣戟コミックを、「ハゲタカ」「竜馬伝」の大友啓史監督、「仮面ライダー電王」の佐藤健主演で実写映画化。

　原作は、剣心の前の嫁さんが出てくる前後（注：かなり後半）から読んだ程度なので、熱狂的ファンがどう思うかは存じ上げないが、小生としては近年の「売れてる漫画を売れてる若手俳優使って撮れば売れるんじゃね？」的な安直B級映画とは一線を画す良作で、なかなかに楽しめた。

　もともと本作を実写化するなら、主役は佐藤くん以外ないだろうと思っていたが、その老若男女に愛される甘いルックスはもちろん、いつものトボけた表情から瞬時にして人斬り抜刀斉の狂気を滲み出させる眼力と演技力、そしてダンスで鍛えたという肉体を駆使したアクションは、想像以上の仕事ぶり。
　特に、多人数を向こうに回しての集団戦は秀逸で、押し寄せる幕末の志士、ヤクザ者、果ては前田敦子まで（嘘）バッタバッタと斬り倒し打ち倒していく様は迫力満点。大友監督らしい緊張感のある演出とキャメラワークも相俟って、久しぶりに真っ当なチャンバラ劇を堪能させていただいた。

　~~最近何観ても出てる気がする~~香川照之氏のムダにノリノリな芝居に、江口洋介氏、吉川晃司氏の意外な違和感なさ、青木崇高くんのキャラ完コピっぷり等、他の役者陣の頑張りにも注目。
　欲を言えば、もう少しテンポ良くストーリーを展開させ、２時間弱の尺でまとめた方がエンタメ的には良かったようにも思うが、このキャストとこのスタッフなら、次エピソードも是非観てみたい。

　
　☆☆☆★★＋＋

　強いて挙げるなら、ヒロインの武井咲はもうちょっと何とかほしかったかも…、星３つプラスプラス！！