「ザ・ブリザード」感想


 ラースと、その彼女クレイグ・ガレスピー監督スター・トレック イントゥ・ダークネスクリス・パイン主演。1952年、猛吹雪に襲われたT2 タンカー・SSペンドルトン号と、アメリカ沿岸警備隊によるその救出劇を描くノンフィクション。

 この話、以前テレビか何かで見た記憶があるのだが、それが何だったのかさっぱり思い出せない。おそらくは、「世界まる見え」「アンビリーバボー」だと思うが…。

 さておき。アメリカ沿岸警備隊史上、もっとも偉大なミッションと評される救出劇であるが、元が実話であるため、超常的な出来事や、怪力乱神による展開はほぼなし。ただただ、圧倒的に強大な自然災害と、それに立ち向かう無力で勇敢な人間達のドラマといった具合で、それだけでも胸に迫るものはある。

 また、クリス・パイン演じる沿岸警備隊員をはじめ、ホリデー・グレンジャー演じる彼の婚約者、ケイシー・アフレック演じる一等機関士等、事態に関わる様々な人物の視点を集束させ、より骨太な物語に仕上げている点は、好感が持てた。

 が、同時にその配分というべきか、各パートのバランスがよろしくなく、どうにも居心地の悪さを覚えてしまう。言うならば、どこを重点に置いて観ればいいのか分からない、とっ散らかってるような印象。ユーザーによって各々の目線から観られるようにという配慮なのか、確かにそれも群像劇の強みの一つではあるとはいえ、これならもう少し、クリスケイシーのフォーカスした方がよかった気が。

 加えて、人物の掘り下げが若干甘く、その設定本当に必要だったか?と思ってしまう点も見受けられたのは、非常に痛い。実話なので詮方ない部分もあり、ヘタに脚色して台無しになるよりはマシではあるとはいえ、クリスと地元漁師の関係、ケイシーと船員達との確執(?)など、割とアッサリ気味な使われ方をしていたのは惜しいところ。

 個人的な事を言えば、巨大なタンカーでさえ真っ二つに割れるような猛吹雪の中、定員10人そこらの救命艇で助けに行く事自体、自殺行為であり、それは勇気ではなく無謀ではないのかと、捻くれた見解を持ってしまうが、結果的にそれで多くの命を救ったわけだから、納得せざるを得ない、のかもしれない。
 「なんぼ何でも、うまく行きすぎじゃね?」とややツッコみたく点も多々あるものの、こういう事が実際にあったというのだから、あえて文句は言うまい。

 今現在の、船舶技術がどういうものかは、不勉強ゆえ存じ上げないが、当時よりは遥かに進んでいる事は間違いあるまい。とはいえ、船舶に限らず、こういう事件・事故が起きたという事実を覚えておくのも、今後何かの役に立つのではと。

 …ハイ、これ以上書く事思いつきません(エー)。じゃ、今回はこの辺で。

 ☆☆☆★★

 題材は悪くなかったんだけど…。星3つ!!

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