「映画みんな!エスパーだよ!」感想


 若杉公徳原作のSFコメディ漫画を、愛のむきだし園子温監督「さよなら歌舞伎町」染谷将太主演で映画化。愛知県東三河を舞台に、超能力に目覚めた少年少女が悪と戦う(?)エロヒーロームービー。

 ちなみに本作、2013年にテレビ東京でドラマ化されている、らしい。テレ東局の映らないド田舎在住なのでまったく未見だが、何でもメインキャストはほぼドラマ版からの続投だが、ヒロインの一人である平野美由紀役の夏帆だけは、なぜか池田エライザにコンバートされているとか。
 向こうのスケジュールの都合なのか、はたまた全編にわたってのパンツ丸出し&エロワード連発に事務所からストップがかかったのかは存じ上げないが、見た目といい雰囲気といい、美由紀のキャラクターに池田エライザがすごくマッチしていたので、これはよい変更だったと個人的には思う。
 ぶっちゃけ、小生も彼女に飛び蹴りされながら「おめぇ、また朝から勃起してんのかよ?」とか言われたいし。むしろ思いつく限りの暴言を浴びせられながら、ありとあらゆる性的暴力を(以下略)。

 さておき。
 上記したとおり、全編にわたってセクシーガールズのオッパイとパンチラが目白押し。DTの変態妄想をそのまま具現化したような、あるいは「レーザー級」深夜アニメをそのまま実写化したような内容で、正直中身らしい中身は特になし。
 一応、ストーリーらしきものはあり、純愛(?)を思わせる描写もない事はないが、くだらない下ネタとエロネタの豪華詰め合わせが延々と続くばかりの、基本行き当たりばったり展開。薄いというより、最後の対決シーン(?)以外、何もしないうちに気がついたら話しが進んでたといった感じで、マキタスポーツをはじめ主人公以外の超能力者も、大半がお前何しにそこにいるんだ状態。
 はっきり言えば、物語としては全然面白くない。

 とはいえ、やりたい事自体は実に明確であり、且つそれを堂々とやりきってしまう度量には、一周回って清々しさすら覚える(笑)。街中で腰をくねらせ、ウッフンアッハンと嬌声をあげる下着ギャル軍団もさることながら、こんな周辺地域の方達への風評とか以前に、法的に色々大丈夫なのか?というムチャクチャなロケに協力してくださった東三河のみなさんにも、まったくもって頭が下がる。
 どうやったらここまでくだらない内容を思いつくのか、そしてどうしてこれを映像化、まして映画化しようと思ったのかはともかく、こんだけ好き勝手バカな事やりながら、主演の染谷くんも出ていた同じく超能力モノ、しかも大真面目に作ったであろう「ストレイヤーズなんとかクロニクル」の数倍はマシ、というのはいかがなものか(いや、あっちがダメすぎるだけかもしれないが)。

 園監督だけに、絵の撮り方や演出が、無駄にハイセンスなのも、微妙に腹が立つ(笑)。特に、劇中とEDに使われた岡村靖幸書き下ろしの新曲は、作品の雰囲気と彼の変態臭さ(褒め言葉)とうまくシンクロして、あたかも上質な青春ムービーであるかのように錯覚させる事に成功している。あくまで、錯覚だが(エー)。

 しかし監督、仕事とはいえ自分の嫁(秋山演じる神楽坂恵)のオッパイの谷間を、安田顕に凝視されるって、どういう気分なんだろうか。某AV監督は、ベテラン女優の嫁さん主演のビデオ撮ってる時は、「俺が世界で一番、彼女をエロく撮れる!」と思ってキャメラを回しているそうだが、その心中は…。
 まあそれを言ったら、新婚の染谷くんだって、冒頭から堂々とオ○ニーしてるわけだが、あれを菊地凛子はどう捉えたのかね(笑)。


 簡単に言えばソフト・オン・デマンドの企画モノから、絡みとTKBポロリを除いたような、かなりやりたい放題の酷い作品(ある意味褒め言葉)。オッパイとパンチラ・パンモロが好きな人なら、そこそこ満足できる…かな?

 ええ、もちろん小生は大好きですよ。ビバ・オッパイ!!ビバ・パンチラ!!(最低)

 つーか改めて読み返すと、小生の頭の中身、作中の超能力者とそんなに変わらないな…(笑)。


 ☆☆☆★★
 内容的には星2つだけど、池田エロイザもといエライザのエロさに免じて、おまけの星3つ!!