「シンドバッド 空とぶ姫と秘密の島」について

 えー、基本的にこの手のイベント上映、あるいはそれに順ずる形の映画のレビューは書かない事にしているのですが、今回はなんとなく。

 世界名作劇場シリーズで知られる日本アニメーション40周年記念作品との事ですが、はっきり言って、見た目からして古臭く、内容も旧態依然とした、良くも悪くも「世界〜」の延長といった感じ。正直、特筆すべき目新しいものは、特に何もありませんでした。

 とはいえ、ストーリーアニメの必要最低限というべきか、お客が金を払って満足できるレベルを、しっかりと保っている点はさすがの仕事。また、上記した「古臭さ」も、例えば20、30年経った後、この時代の流行り廃りに影響されない普遍性という意味では、非常に高印象が持てました。

 確かに、この絵柄に鑑賞を躊躇する人もいるかと存じますが、ファミリー向けアニメとヲタク向けアニメの二極化が加速度的に進行している昨今、こういった世代を越えて誰でも楽しめる、いわば老舗定食屋のご飯と味噌汁と玉子焼きのような作品こそ、本当はもっと評価されるべきではないでしょうか。

 どうやら配給会社の関係で、イオンシネマ系列でしか上映していないようですが、興味がおありの方は、是非とも映画館へ。