「ミュータント・タートルズ」感想
1985年に誕生したアメリカン・コミック「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」を、「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ製作、「世界侵略: ロサンゼルス決戦」のジョナサン・リーベスマン監督で、4度目の映画化。
やってる事は8、90年代のヒーロームービーとまったく同じ。やたらスタイルのいい姉ちゃんが、謎のヒーロー達と遭遇。いつの間にか巨大な悪の陰謀に巻き込まれ、ついには信用していた人物に裏切られて絶体絶命の大ピンチ。でも最後は、力を合わせて野望を阻止し、続編を匂わせつつエンドロールという、判で捺したようなあるある&ツッコミどころ満載のテンプレート展開で、基本構造は「トランスフォーマー」と大して変わらず。
(余談だが、本作のラスボスであるシュレッダーの鎧の動き方なんかは、完全にトランスフォーマーのそれだった。)
かなり食傷気味ではあるものの、次は何となくこんな事が起こるんだろうなーと思いながら、それなりに楽しめてしまうというのは、やはりこれがフォーマットとして完成している証左なのかもしれない。その分、サプライズ的な要素は極めて薄が、どこかのある一定層に、こういったファストフード的な作風が未だに好まれているのだろうと推察する。
CG技術の向上により、それまで見分け方がマスクの色と手持ちの武器ぐらいだったタートルズが、それぞれのキャラクターに合わせた装飾を身に付ける事により、より個性が明確になった点はグッド。アクションも、例によって肝心な所で薄暗くなる点を除けば概ね良好で、特に雪山を滑り落ちるシーンは、見応えあり。
ただ、シリーズファンにとっては、お馴染みのキャラクターの多くが登場していない点や、タートルズとミーガン・フォックス演じるエイプリルとの関係の変更等、不満を漏らす者も少なくないと察する。個人的には、タートルズの師匠であるスプリンターが、忍術を習得する過程に、ものすごい無理やり感を覚えてしまった。
メディアによって、元は人間だったり、忍者に飼われていたネズミだったりと、色々設定が異なるが、あれはさすがにミステイク。まだユーキャンの通信講座で覚えたと言われた方が、説得力がある。それ以上に基本身体能力が高かったと言われればそれまでだが、もう少し推敲の余地があったのではと思えた。
あとは、久しぶりにウーピー・ゴールドバーグと、ウィリアム・フィクナーを観られてよかったな、というぐらい。総じて、そこそこ楽しいけど過度の期待はしない方がいい、そんな作品。
ちなみに、3Dはミーガン・フォックスのエロい尻が飛び出して見える以外、特にメリットもないので、どうしても!!という人ではない限りオススメしません。
☆☆☆★★+
それよか、早く「スポーン」のリブートをだね…。星3つプラス!!
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