ED、サビ以外のパート初めて聴いた(笑)

 てっきり、今回のために書き下ろされた新曲かと思ったら、いきなり聴き慣れたフレーズになってビックリしたわ(笑)。今さらだけど、あんな曲だったんだね。全然知らんかった。


 さておき、ついに最終回を迎えました「トッキュウジャー」


 いやー、素晴らしかった。色々言ってる人がいるのは百も承知だし、これがスーパー戦隊史上最高傑作というつもりは毛頭ないけど、この物語の着地点としては、もっとも理想的な形だったんじゃないかと。

 ラストバトル。ロボ戦がなかったのが少々不満とはいえ、相手をぶっ倒して終わりの勧善懲悪ってんじゃなく、いい意味で敵味方ともに収まるところに収まったという印象。もちろん、皇帝を含めシャドーラインは所謂「悪」だし、懲らしめられて当然の存在なんだけど、その「悪」の視点から、人間の心の強さや、誰かを想う気持ちの大切さを、背理法的に表現したという側面もあったように感じられた。

 例えば、どうしてもキラキラを手に入れたいがために、人間はおろか部下にまで迷惑をかけまくる皇帝は、ともすればただの駄々っ子。そんな、見た目に反して幼稚と言っても過言ではない彼が、どんなに足掻いても奪うことのできなかったキラキラを、ライト達をはじめ、かつての部下であるシュバルツさん久川さん、ついにはフクジュンマツコまでが手にしてしまったという事実は、本作のテーマそのものであるようにも見える。

 作中で明言される事はなかったけども、きっとキラキラとは得ようとして得るものでも、まして誰かから奪うものでもなく、傍にいる誰かを想う気持ち=イマジネーションそのものなのだろう。結局、将来的に彼がキラキラを手に入れられるかは定かではないが、少なくともその正体と、手にする方法には辿り着けたに違いない。
 その意味で、これは5人の少年少女が自分達の街に帰るための冒険譚にして成長譚でありつつ、同時に一人の孤独な独裁者が、青い鳥に気づくまでを描いた物語とも言える(我ながら臭い言い回しだが…)。

 来年のVSシリーズか、Vシネの頃には、彼にとってのそれがグリッタさんになっている事を、強く願う。


 最後も、これまでレインボーラインの面々と明くんぐらいしか味方のいない(劇場版とかは別にして)、ほぼ孤軍奮闘状態だった5人に、ここへ来て家族という最強最大の援軍が現れた上に、ちゃんと子供に戻って家に帰れたというのが、非常に泣かせる。まさに列車のように、人と人とが繋がり合い、ともに未来へと進んでいく、本作にふさわしいエンディングと断じたい。

 何より、子供が子供らしくある事さえ難しいとされる昨今、一見してバカバカしくも思えるこの設定の中に、これほどまでに熱いメッセージを込めつつ、面白い、しかし一子供番組として徹底した作品を製作していただいた事に、最大級の敬意を賛辞をお贈りする。

 まだまだ書きたい事は山ほどあるけど、とりあえずこれだけ。出演者及びスタッフの皆様、そして本作に関わられたすべての人々の尽力に、心からの感謝を。本当に、一年間ありがとうございました。



 さて、来週からはニンニンジャー。果たしてどうなるのか…。