「ANNIE/アニー」感想


 ステイ・フレンズウィル・グラック監督ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜クヮヴェンジャネ・ウォレス主演ハロルド・グレイ原作の新聞連載漫画「小さな孤児アニー(Little Orphan Annie)」を基にしたミュージカルを、1982年の劇場映画と、1999年のテレビ映画に続いて、3度目の映画化。

 舞台を世界大恐慌直後の1933年から現代に、登場人物の設定もあわせて大幅なアレンジが加えられた本作。基本的なストーリーをそれなりに知っている程度で、何がどのくらい変更されているのかはさっぱりだが、この手のリメイクものにありがちな無理やり観はほとんどなく、すんなりと楽しめる内容にシェイプされていたと感じた。

 演劇の本場アメリカで長年愛されている演目らしく、笑わせるところはしっかり笑わせ、泣かせる時はきっちり泣かせる、メリハリの利いたセンスのいい画面構成もグッド。正直、ミュージカルは観ていて「歌わんでええから、早よ話し進めんかい!!」とか思ってしまうので、あまり好きではないのだが、本作はお互いがうまく相乗しあう、誤解を恐れず言えば、展開が間延びになりそうな部分を歌が補い、歌がくどくなりそうなところを物語が助けるという理想的な関係が成立していたと評したい。

 まあ、細かい事を突っつけば、なんぼミュージカルでもテーブルの上に靴履いたまま乗って踊るってどうなの?とか、最後の方のカーチェイスとヘリでの大追跡はさすがにやりすぎじゃね?とか、色々思うところはあるものの、クラシカルな物語の良さ、骨格を損なう事なく、新しい物語へと昇華させたという点では、まさに理想的な作りに違いない。

 個人的には、ハニガン演じるキャメロン・ディアスのダメ人間っぷりと、最後の活躍(?)が非常によかった。やはり彼女は、清楚なお嬢様より品のないビッチな役がよく似合う(褒め言葉)。

 ところで、素朴な疑問なのだが、アニーが両親が現れるのを待ち続けるレストランのオーナーは、実はアニーの両親の行き先、生死について知っていたんじゃないだろうか。知っていたからこそ、健気な少女の希望を奪わないために、あえて知らないふりをしていたようにも思える。
 実際はどうなんだろう。ご存知の方、ご教授願います。


 じゃ、超簡単だけど、今回はこんな感じで。

 ☆☆☆★★++

 吹き替えの佐々木りおちゃんもいい仕事。星3つプラスプラス!!


 

(違)