「サボタージュ」感想
「エンド・オブ・ウォッチ」のデヴィッド・エアー監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演。アガサ・クリスティの推理小説「そして誰もいなくなった」を原作に、猟奇殺人事件に巻き込まれる麻薬捜査特殊部隊の姿を描くアクションスリラー。
ちなみに、タイトルの「サボタージュ」とは、現在日本で広く使われている「サボる」の語源であるとともに、フランス語の「破壊活動」を意味する。
さておき。シュワちゃんをはじめ、サム・ワーシントンやテレンス・ハワードといった豪華俳優陣が多数出演しているものの、セールスポイントと呼べるのは正直そのくらい。古典的推理小説を基にしている事からも察せられるとおり(内容はまったく違うそうだが)、よく言えば平凡、悪く言えば旧態依然とした出来。
確かに、60歳越えてなおあの筋肉モリモリマッチョマンの変態ボディを維持しているシュワちゃんは単純に凄いと思ったが、さすがに往年のような動きのキレはなく、銃を撃つ挙動一つ取っても、どうにもエッチラホッチラ観が目立ってしまう。アクションシーン以外にしても、いかにも長年特殊部隊を率いてきた伝説の男という雰囲気はともかく、デスクワークや性格俳優としての一面等、ジャッキー・チェン同様「誰もあなたにそんなの求めてないよ」とツッコまざるを得ない部分が気になり、素直に楽しめなかった(余談だが、小生個人としては、性格俳優としてのジャッキーを高く評価している)。
詮方ない事を言ってしまうが、制作がもう2、30年早ければ、そこそこのモノが出来たんじゃないかと、毎度の事ながら思う。あるいは、準主役(?)ながらほとんどいいところナシのサム・ワーシントンを主役にし、監督もリドリー・スコットかデヴィット・フィンチャークラス…は無理にしても、若くて野心的なヤツを採用した方が良かった気がする。
とりあえず褒める点はあるとすれば、事件を追う女刑事演じるキャロライン・ブレントウッドの存在感と、特殊部隊のアジトに貼られた、某アクションスターをDisった謎のポスターぐらい。色々ゴチャゴチャやってたけど、結局一番印象に残ったのは「シュワ、年食ったな…」という、何とも切ない作品。
それからもう一つ。サムとパイロの吹き替えがエライ滑舌悪いなーと思いきや、案の定高田延彦と小宮浩信とかいうお笑い芸人が担当していた。
後者についてはまったく存じ上げないけど、とにもかくにも、「出てこいや!!」ならぬ、「もう出てくんなや!!」
☆☆☆★★−
「エクスペンダブルズ3」より面白いといったな、あれはウソだ。星3つマイナス!!
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