2014年5月に観た映画 その1

 というわけで、ここ一ヶ月ちょっと所沢行ったり、広島行ったり、あるいは企画書書いたりで忙しく、ろくに映画レビューを書けてなかったので、ここで超簡単に、まとめて感想を書きたいと思います。
 なお、今回の評価は全て星3つとし、プラスマイナスは作品ごとに付けていきますので、ご了承を。それから、一部4月、6月公開の作品も含まれておりますが、その辺はいろいろと「察して」いただけますと幸せます。


 『サンブンノイチ』

 木下半太原作、おしゃべりクソ野郎こと品川ヒロシ監督。伏線の張り方といい、演出といい、シナリオといい、腹立つぐらい非常に良くできた作品(笑)。ただその分、いい意味での「遊び」というか、隙がなさすぎて、観ていて息が詰まる印象を受ける。

 また、逆転に次ぐ逆転劇は見応えがあったものの、あまりにうまく行き過ぎて、正直ナンデヤネンと思ってしまった。最後の最後、土壇場のアドリブでピンチを切り抜ける、といった展開もほしかったところ。つーかコレ、続編あるの?

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 テルマエ・ロマエII 』

 堅物のテルマエ技師ルシウスが、風呂をはじめとする現在日本の文化とテクノロジーにいちいち驚嘆し、時に大真面目に見当違いな分析を行うといった大筋は、前作とほぼ同じ。それでも、ベタながら思わず笑ってしまう。

 ただ、ストーリー面はちょっと拍子抜けというか、ムダに壮大にしろとは言わないまでも、もう少し捻りがほしかった。相撲取りのグエディエイターの件も同上。まあとはいえ、某火山映画の100倍は面白い。

 



 アメイジングスパイダーマン2』

 スパイディのリブート版第二弾。アクション面だけなら歴代最高といっても過言ではない迫力と臨場感で、久々に3Dで観た甲斐のある出来。ストーリーに関しても、原作初期のエピソードでもっともショッキングな事件を題材にしているだけに、非常に重厚でシリアス。本作のテーマである「大きな力は、大きな責任を伴う」を深く掘り下げた、一人の人間としてのドラマが丁寧に描かれていてグッド。

 どうやら本シリーズも3部作か何かを狙っているせいか、クライマックスが少々尻切れトンボな印象を受けたが、それだけに次回作が待ち遠しいところ。と、その前にアベンジャーズX−MENとの共闘モノがあったりして(笑)。「インフィニティ・ガントレットとか。

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 『WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去なあなあ日常〜』

 いわゆる、都会人の妄想田舎万歳映画かと思いきや、しっかりと田舎ならではの不便さや厳しさ等の悪い部分を、都会育ちの若者を目を通して描いている点はグッド。その上で、その場所でしかできない仕事、その場所でこそやれる事、学べる事まで汲み取り、働く事の尊さに繋げている。

 個人的には、主人公の元カノが連れて来たサークル仲間が、無自覚に吐いた田舎を愚弄する発言にブチぎれるシーンは、都会に住んでるだけで偉いわけじゃねぇぞと雄弁に語っているようで、胸がすく思いだった。今日日珍しい35mmフィルムキャメラで撮影した景色も美しく、まあ抜群に面白いわけではないが(エー)、一見の価値はアリ。

 あと、黒執事に続いて、優香の鬼気迫る演技にも注目(笑)。あれで彼女、今年何かしらの映画賞にノミネートされなきゃウソだ。

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 『ワンチャンス』

 オペラ歌手ポール・ポッツの半生を描いたノンフィクションストーリー。ぶっちゃけ、史実だけにかなりベタな展開で、しかもウィキペディアを読む限り、実際の経歴と随分相違点が見られるものの、様々な困難、不幸を乗り越え、たった一つのチャンスを掴むために勇気を振り絞った彼の姿は、理屈抜きに胸が熱くなる。
 彼自身もそうだが、彼の才能を信じ、そばで支えた奥様が偉い。ある意味これは、二人で勝ち取った栄光の物語と言える。

 個人的には、彼がツアーで日本を訪れた時、子供の頃から大好きで、いつか日本に来たら出演したいと思っていた番組風雲!たけし城が、何十年も前に終了していたと聞かされてガックリするエピソードが好きなのだが、なぜかカットされていた。残念(アタリマエ)。

 余談だが、大人になってもずっとポールをいじめていた同級生は、見下しているポールの歌の才能に嫉妬しているだけでなく、何の才能も持たない自分の惨めさを誤魔化しているようにも思える。何の努力もしないで得られる能力なんてないのに、どちらにしろクズだ。

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 はい、今日はとりあえずここまで〜。