「地獄でなぜ悪い」DVDで視聴

 何というか、漫☆画太郎が書いた原作を、奥浩哉先生辺りがマンガにしたら、こんな感じになるんだろうなーと、漠然と思ってしまった(笑)。とんでもなく惨たらしくて酷い事いっぱいしてるのに、なぜか妙にスタイリッシュで、ユーモアさえ見え隠れする、そんな作品。

 一時間以上かけて張り巡らせた伏線を、最後の大乱闘で一気に使い切る気持ちよさもさる事ながら、理不尽と不条理と暴力と異常な映画愛が、破綻する事なく共存する構成力もお見事。俳優陣、特に堤新一さんの渋さとお茶目さ加減も抜群。あー、やっぱり無理してでも映画館で観るべきだった。

 しかし後々知ったけど、世界のスピードマスターこと坂口拓さんって、本作を最後に俳優業引退されたんだってね。「カブト」に出演された時は、風圧で水嶋ヒロの首がすっ飛ぶんじゃないかってぐらい、切れ味鋭すぎるキックを披露されてたのに、何とも惜しい。
 理由はよく存じ上げないけども、また何かの折りに復帰して、またあの超絶アクションを見せていただきたいところ。