「大脱出」感想
「ザ・ライト -エクソシストの真実-」のミカエル・ハフストローム監督、「ロッキー」「ランボー」のシルヴェスター・スタローン×「ターミネーター」「コマンドー」のアーノルド・シュワルツェネッガー主演。罠にはめられた脱獄のプロと謎の囚人リーダーが、脱出不可能の監獄から脱獄を計るアクションスリラー。
ハリウッドの二大アクションスター、スライとシュワちゃんが奇跡のW主演。映画ファンにとって「ゴジラVSガメラ」「アントニオ猪木VSジャイアント馬場」「孫悟空VS範馬勇次郎」に匹敵する、まさに長年待ち望んだ究極のドリームタッグの実現たる本作。
ストーリー自体は、ぶっちゃけご都合主義の勢い任せ。冒頭の掴み部分では、「スパイ大作戦」よろしく、なかなか緻密でクレバーな一面を見せてくれたものの、中盤辺りから計画も下準備も雑になり、クライマックスではとうとう「どさくさに紛れて物理で殴れ」という、行き当たりばったり甚だしい展開に。
途中、「なるほどなー」と思える部分は多少あるにせよ、基本は筋肉と暴力と、そしてまた筋肉という、よく言えば超がつくほどシンプル、悪く言えば恐ろしいまでの大雑把な作り。そもそも、予告とポスターで監獄の正体がボロバレしてる時点で、せっかくのささやかな謎解き要素も台無しというお粗末さ。普段なら「ここのスタッフ全員ビンタ。監督とライターは追加でレインメーカー」となるところ。
とはいえ、実際この二人が並んで立っている段階で、そんな細かいストーリーなど誰も求めておらず、とにかく世界一有名なムキムキ系マッシヴ親父がドツき合い、銃をぶっ放し、最後はぶっとい腕でガッチリ握手を交わすシーンを拝めれば、誰も文句は言うまい。
むしろ、この二人なら収監直後に鉄拳で外壁をぶち破り、押し寄せる警備兵と囚人どもをボッコボコに弾き飛ばした挙句、武器を奪って所長室を占拠、なんて朝飯前だったところを、あえてそうしなかった点に本作の良心が見える(ソウカ?)。
欲を言えば、この案件がもう20年早く実現していれば…とは、おそらく世界中の誰もが思っているところで、事実、二人とも全盛期に比べると明らかにアクションのキレも悪く、エッチラホッチラ感が出てしまっているのは否めない。が、年を重ねた分、より狡猾さと鋭さの増したスライと、よりカリスマ性と貫禄を増したシュワちゃんを確認できたのは、嬉しい誤算と言える(それを誰が望んでいるかは別にして)。
一種の「ファン感謝デー」的なお祭りムービーで、二人のファンなら観といて損はないはず。今夏公開予定の「エクスペンダブルズ3」でも共演が決定しているそうなので、今から日本上陸が楽しみ。
とりあえず、今回はこんな感じで。
☆☆☆★★
さり気なくジェームズ・カヴィーゼルとカーティス・"50セント"・ジャクソンが出演している点にも注目(笑)、星3つ!!
そういやジャッキーが参戦するって話しはどうなった?
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