「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々/魔の海」感想


 リック・ライアダン原作小説の映画化第二弾。パーシー達ハーフゴッドの若者が、訓練所の危機を救うため、金の羊毛を求めてバミューダトライアングルへ大冒険を繰り広げるファンタジーアクション。


 前作同様、魔法あり、モンスターあり、神のチート能力ありのアドベンチャー巨編ながら、やはり若年層向けというべきか、いい年こいたオッサンの鑑賞にはとても耐えられる代物ではないと思われる内容。むしろ、前よりも簡略化しすぎて、パワーダウンした観すら漂う。

 とにもかくにも、ストーリーが薄っぺらい事この上ない。ラノベ黎明期か80年代のRPGを彷彿とさせる、どっかで観た事あるようなないようなエピソードの連続に加え、山も谷もなく進んでいくゆるい展開に、緊張感及び意外性はゼロ。ときたま訪れるピンチに関しても、アイディアもヘッタクレもないその場しのぎで解決してしまうガッカリっぷりで、ただただ睡魔を誘うばかり。
 多少ネタバレになるが、例えば作中、メンバーの一人が瀕死の重傷を負い、今まさにその命を終えようかというその場面に、どんな傷や病気もたちどころに治ってしまう魔法の羊毛なんてあったら、シリアスなシーンが一気にコント以下に成り下がってしまうのは、誰が考えたって分かる事。それを平然とやっちゃった挙句、「今日ここに自殺志願者がいても、その願いは叶わないぞ!!」なんてクソ寒いギャグをかまされたら、我々は一体どんな顔をすればいいのか。

 また、上記した神話系便利グッズや、新登場のパーシーの異母兄弟を含む人物相関も、うまく使いこなせていたとは残念ながら言いがたく、全てにおいてバランスが悪いのもいただけない。要所要所に繰り出されるティーンズジョークも滑りまくりで、ただでさえ盛り上がりに欠ける物語を、よりテンションダウンさせる結果に。
 確かに微分で見れば、それなりに良い部分も多少点在しているものの、例によって線にはならず点のまま消滅してしまっているお粗末仕様。正直この程度の出来ならば、日本の1クールアニメでも視聴し続けるのは相当キツい。

 キャラクターが何かをする事でストーリーを動かしているのではなく、ストーリーに合わせてキャラクターが動いている印象。もっと言えば、まず設定ありき、その後でキャラクターやアイテムを適当に配置したような、仕事の甘さが見える。まったく箸にも棒にも引っかからんほどつまらないとは言わないが、ぶっちゃけ面白みは皆無。どうやら某メガネ魔法使いや某吸血鬼バカップ映画の後釜を狙っているようだが、作り手がこのクオリティに満足しているようなら、次回作に客なんざ入るわけがないと苦言を呈しておく。


 せっかくプリズン・ブレイクロバート・ネッパーと、ふなっしーが出てきたのに、これでは台無し。梨だけにジャパニメーションで目の肥えた日本の客を引き込みたいなら、もう少し勉強・推敲すべし。


 ☆☆☆★★−−−

 大マケにマケて、星3つマイナス3つだなっしーーー!!!梨汁ブシャーーーーー!!


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