「2ガンズ」感想


 「ハード・ラッシュ」バルタザル・コルマキュル監督、「フライト」デンゼル・ワシントン「テッド」マーク・ウォールバーグ主演。4300万ドルを巡って、警察と軍隊とマフィアとCIAが争奪戦を繰り広げるアクションコメディ。

 
 メリケンお得意且つ大好物のピカレスク・ドンパチ・バディアクションムービー。ノリも雰囲気もシナリオも全盛期の80年代を彷彿とさせる、よく言えば古き良き、悪く言えば懐古主義の旧態依然とした内容ながら、想像以上に楽しめる出来で個人的には満足できた。

 まず何より、「乗った乗り物は必ず壊す男」デンゼル演じる老獪な麻薬捜査官と、「テディベアと殴りあう男」マーク演じる、確かな射撃センスとヤンキースピリッツを併せ持つ海軍犯罪捜査官のキャラクターによる、アメリカンジョークと皮肉の飛び交うやりとりがグッド。
 お互いの騙しあっていた関係からか、本格的にコンビを組んだ後もどこか信用しきっていない凸凹さ加減がいい塩梅に作用し、より可笑しさを誘う要因となっている。

 潜入捜査から一転、次から次へと二人に襲い掛かるピンチ、そして逆転と思わせてまたピンチの連続と、ジェットコースターのごとく駆け抜けるスピーディーな展開に加え、悪党どもをバッタバッタと撃ち殺していく、まさに「あの時代」のようなスタイリッシュな銃撃戦も見応え充分。適度にバイオレンスあり、お色気あり、ついでに牛の大群あり(?)で、意外なほどムダのない、オールインワン的な作りと評したい。

 確かに、そこはかとなく漂う既視感は払拭しようもなく、ビックリするようなオチや超展開もない。言ってしまえば、かなり「普通」の出来。だが、その「普通」レベルのモノすらお目にかかりにくくなっている昨今、大傑作とは言わないまでも、このアイディアでこのクオリティを作り出せる人物は、むしろ貴重だと思われる。

 前作の「ハード・ラッシュ」も面白かったし、まったく私見ながら、このバルタザル・コルマキュルという監督は、第2のリュック・ベッソンになるかもしれん。これから注目しておこう。

 とりあえず、例によってたまの休日、ビール片手にソファでごろ寝しながら観るには最高の一本。未見の方は、是非ともDVDレンタルを!!(エー)


 とまあ、特にこれ以上書くことないんで、今日はこの辺で(エーー)。


 ☆☆☆★★++

 てか、ヒロインのあの指輪は一体なんだったの?星3つプラスプラス!!