「コドモ警察」感想
「勇者ヨシヒコと魔王の城」の福田雄一監督、「妖怪人間ベム」の鈴木福主演。TBS系列で2012年4月から6月まで放送された深夜ドラマの劇場版。悪の犯罪組織によって子供の姿に変えられたエリート刑事達の活躍を描く。
福くんをはじめとした、今をときめく子役スター達が顔を揃え、往年の刑事ドラマ風に演じる。正直、それ以上でもそれ以下でもない内容で、ぶっちゃけ大人の鑑賞に耐えられる代物ではない。
もっとも、本作を進んで観に行く人の多くは、彼等の愛らしい姿を観られればそれで満足と察するが、それにしたってシリアスにせいコメディにせい作りが適当な上、パロディ要素もかなり中途半端なのはいかがなものか。福くんが事件を知られる電話に「な〜〜に〜〜!!」と藤堂係長ばりの唸り声を上げるシーンも、一度や二度ならまだしも、事あるごとにやられては実に白ける。
だいたい、ライフルとショットガンの違いも分かってないとは、一体どういう料簡だ?そういうちょっとしたディテールの荒さが、作品全体の価値を著しく下げるのだと、なぜ気がつかない。まさか、それが自分の持ち味だとでも?ナンセンス。
シナリオも、取ってつけたようなというか、雑というか、伏線もヘチマもなく、適当・理不尽を通り越してもはや意味不明。同じ不条理にしても一本の映画として最低限の筋道は立てていただきたいもの。でなければ、わざわざチケットを買って映画館に足を運ぶお客さんに失礼だ。
もう一つ付け加えるなら、かなり重要なポジションを担っているはずのマリウス葉が、棒読みがどうとか演技力がどうとかいう以前の問題である点。中性的な可愛らしい容姿の彼と、これまたチビッこくて可愛らしい子役達が絡めば、可愛らしさが2倍か3倍になるとでも思ったのだろうか。歌やダンスならともかく、セリフはもちろんの事、相手との間の取り方、表情の見せ方等、まったくと言っていいほど、人から金を取っていいレベルに到底達していない。彼が芸才にどの程度のポテンシャルを秘めているかは神のみぞ知るだが、今後も演技の仕事を続けるつもりなら、もうちょっと勉強してからの方がよいのでは?と老婆心を呈しておく。
今が旬の人気子役を、旬なうちに使い切っとけ的な、いやらしい大人達の浅ましさが見え隠れする、そんな一本。そういうのを分かりながら観られるオヤサシイ人ならまだしも、残念ながら小生はそこまで達観しきれない。いいかげんツッコむ気力も失せたので、この言葉を総評としたい。
「全体的に、大人をなめるな」
☆☆★★★
吉瀬さんも勝地くんも仕事選ぼうよ…。星2つ!!
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