「ドラゴンボールZ神と神」感想


 もはや説明不要の世界的超人気アニメドラゴンボールZ」17年ぶりの新作劇場版。長い眠りから目覚めた破壊神・ビルスが、伝説の戦士スーパーサイヤ人ゴッドを探すべく地球に襲来。宇宙最強の力に、孫悟空たちZ戦士が立ち向かう。


 まさしく全世界待望、満を持して登場の本作。とてつもなく強くて悪いヤツを悟空が仲間とともにぶっ飛ばす、いつもどおりの展開かと思いきや、いい意味でこちらの予想を裏切る、ワンランク上の仕上がりで大満足。長年のファンから「改」からのルーキーまで楽しめる、一級のエンターテイメント作品。

 メイン舞台であるブルマの誕生日パーティ会場にお馴染みのメンバーが顔を揃える、ちょっとした同窓会感覚もさることながら、なぜか馴染んでしまいつつも、いつ地球を破壊すると言い出すか分からない破壊神ビルスとその付き人ウイスによる緊張感と、鳥山ワールド全開のゆるださギャグが見事にマッチ。笑いとシリアスの絶妙なバランスに、改めて鳥山明先生のセンスの高さに敬服した。

 また、ともすればこれまで築き上げてきた同作の世界観を壊しかねない、間違いなく賛否両論あるだろう意外すぎる決着に踏み切ったスタッフの、その勇気ある決断と愛情には素直な拍手を贈りたい。その後の多くの作品に影響を与え、一つの万国共通の比較基準とすら認知されながら、閉塞感にも似た限界点が見えかけていた本作の世界観を、文字どおり一気に宇宙を飛び越え、無限の彼方へと広げてしまったという意味で、この結末は正解と言え、同時に限りなくネタバレに近い表現だが、自分が倒されない事を勝ちとする五輪書にも通じる精神と、どんな相手とでも友達になろうとするこの上ない優しさに満ちた、ある意味もっとも悟空らしいラストだったと評したい。

 個人的には、云わずと知れた主人公・悟空はもちろんの事、もう一人の主人公ともいうべき活躍を見せたべジータの珍しい三枚目ポジション、そして父として夫して、自尊心をかなぐり捨てて戦う雄姿に注目していただきたい。愛する妻を守るために彼が取った、ある意外な行動には爆笑必至ながら、あのプライドの塊のような誇り高きサイヤ人の王子がそこまでするのかと、胸が熱くなる事ウケアイ。実は魔人ブウ編のクライマックスで、彼が悟空をナンバーワンだと認めたシーンが、しっかり伏線として回収されている点もニクい。

 彼に限らず、、酔っ払ってはしゃぐ悟飯に、意外なキャラの再登場とトランクスラブロマンス(?)、さらにさりげなく年をサバ読むブルマと、ムダにエロカワいい妊婦のビーデルさん等、原作ファンなら思わずニヤッとしてしまう要素も満載なので、その辺に注意してみるのもアリ。


 正直に白状すると、ドラゴンボールの代名詞とも言える、壮絶全開バトルが最新のアニメーション技術、しかもそれを大スクリーンで観られるだけで充分、内容は二の次と、まったくと言っていいほど期待していなかったのだが、これは文句のつけようがない。いかにも続編がありそうな感じだし、できれば野沢さんがお元気なうちに制作をお願いしたい。あの声でなければ、悟空は演じられまい。

 とにもかくにも、ファンなら迷わず映画館へ!!


 ☆☆☆★★+++

 あと、スーパーサイヤ人ゴッドってなんかイナズマイレブンのキャラっぽいね、とか思っちゃったのはナイショ。星3つプラス3つ!!




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