小諸巡礼で待ってる その6
電車が来るまでに、まだ約1時間の余裕が。ついでに松本城でも見に行こうかとも思ったが、一応念のため、明日の帰りのバスの確認をしておく事にする。
が、どういうわけが、ここへ来て予約が受理されていない事が判明。慌ててその場でチケットを取ろうとするも、既に満席の状態…。
幸い、というか何というか、帰りに友人を訪ねるつもりで大阪−広島間の夜行バスを予約しておいたので、その区間の運賃だけで済んだのだが、それでも予定額の約2倍。初日の軽井沢での一件といい、事前確認は大事だと身を持って思い知らされた。
もっとも、そのおかげで翌日ゆっくりと松本城見学ができたので、結果オーライとしておこう、ウン。
とにもかくにも、JR大糸線に揺られる事約1時間半。
海ノ口駅、キターーーーーッッ!!思いっきり写真撮り忘れたけど、ちょっと小じゃれた喫茶店かログハウスのような内装で、失礼ながら無人駅とは思えないぐらいキレイで驚いた。
やはり巡礼客を考慮しての事か。…さすがにそんなわけないか。
さて、いつのまにか日も暮れ始めたところで、いよいよ最後の目的地を目指し出発。とはいえ、実はそれがどこなのか漠然とした場所しか知らないため、実質木崎湖の周りをアテもなく歩く事に。
それと同じく、例えいかなる距離があろうとも、彼等彼女等が過ごしたあの時間とあの場所は、確かに我々の世界と並んでここに存在している違いない。いい年こいて随分厨二くさい表現だが、この旅でそれを肌で感じ取る事ができたのは、何よりの収穫であったと、今にして思う。
などと感慨にふけっている間にも、辺りはドンドン暗くなっていく。しかも悪い事に、予備バッテリーをホテルに置き忘れるという、今回何度目かの大チョンボをやらかしてしまったため、スマホ、デジカメともに電池残量は既に30%未満。
これは早くせんと、目的地には着いたけど写真は撮れませんでしたーなんて、テヘペロ☆では済まされない大失態を晒す羽目に。疲労と持病で激しく痛む腰と膝に今一度気を入れなおし、エッチラホッチラ歩を進める。
要するに、単なる行稼ぎです(笑)。 何やら包丁がどうたらと書いてあったけど、何の石碑だかはノーアイデア。
と、そこからさらに歩く事数分、ついに目ぼしい場所を発見。
聞けばコチラ、かの「おねがい☆ティーチャー」の聖地にもなっているとの事。念のため、従業員の方に確認してみたところ、「ええまあ、そういう事になってます。一応」と、何とも煮え切らない答えが。とにかく、ついにここまで辿り着いたぞ、ヒャッハーーーーーーー!! ちなみに、入り口にはみずほ先生の木彫り像が。ジェイソンさん作との事。 とりあえず、例の場所へ移動。そういう場所なので当たり前と言えば当たり前なのだが、周囲は思いのほかキャンプ客でいっぱい。そこにテンガロン被ったアロハのオッサンが一眼レフ片手にフラフラ現れたら、そりゃ訝しがられもするわな(笑)。
イメージとはだいぶ違ったものの、最終回でイチカ先輩と海人くんが(未見の方のために割愛)の場所で間違いない、らしい。
これにて今回の巡礼、全工程終了!!ヒィーーーッハァーーーーーーーーーーーーーッッ!!
…で、まあ、この後は当然のごとく、一番近くの駅まで徒歩で向かう事に。
途中で発見。持ち主が描いたものなのか、それともただの落書きか…。 歩く事十数分。海ノ口駅から二つ離れた信濃木崎駅に到着。電車が来るまでの間、電池残量一桁のスマホで「ビードロ模様」を聴きながら、今回の旅の感慨にふける。 あとは、松本駅前のそば屋でつけ蕎麦(つけそばではない)を食ったり、 例によって酒飲んでひっくり返って爆睡したり、 翌日、松本城を見に行ったり(実は天守にも入ったけど、人は多いわ狭いわ階段は急だわ目の前のバカップルがやたらイチャイチャするわで、写真撮るどころじゃなかった。鉄砲の歴史資料なんかもあって面白くはあったけど) 昼過ぎに大阪まで戻り、ツレとその娘と飯食ってカラオケ行ったりと、まあ要するに普通に遊んでたと(笑)。さらにその翌日、夜行バス(+電車)で帰宅。いろいろ大変で、とにかくクタクタに疲れ果てたが、それ以上に充実した、非常に有意義で楽しい旅だった。
さて、今だから正直に白状するが、恥ずかしながらつい最近まで長野県が日本地図のどの辺にあるのかもよく知らず、まして一生のうちに自腹で訪れる日が来ようとは、夢にも思ってなかった。
それがこうして、800キロ以上の距離を越え、見知らぬあの場所に行きたい、彼等彼女等が息吹き、青春を謳歌するあの地に立ってみたいと願い、ついに具体的な行動にまで結びつけたのは、偏に「あの夏で待ってる」という作品の持つ、純然たる力であり輝きに他ならない。
生まれてこの方、旅行などというモノには数えるほどしか行った事がないのだが、それでも、小諸は今までで最も印象深く、何度も訪れたい場所になった。
いろいろあって更新が1ヶ月近く遅れてしまったが、最後に、この素晴らしい出逢いのきっかけを与えてくれた「なつまち」と、本作に関わった全ての人々、そして今回の旅でお世話になった小諸市民の皆様に、心からの感謝を。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
いつか必ず、この場所にもう一度立とう。それまでしばしの別れ。