「ロボット」感想
さすがはアメリカを抑え、年間映画製作本数世界一の国。139分という長尺ながら1秒も退屈する事なく、徹頭徹尾楽しませていただいた。
確かにツッコミどころは多く、技術的にまだまだ発展途上の部分もあるにせよ、ハリウッド映画やジャパニメーションにも引けを取らない、純粋且つ完全無欠なエンターテイメント作品。
とにもかくにも、ストーリー展開とその畳み掛け方が素晴らしい。ウィキペディア内、本作の「ストーリー」について書かれた項目をご覧いただければ分かるとおり、約2時間半という上映時間にも関わらず、全体のあらすじが3行でほぼ説明できてしまうという、恐るべき四次元収納的構成力(笑)。
しかし一つ一つのエピソードをより濃厚に、より肉厚に楽しめるよう工夫されているため決して水増し観はなく、むしろヘタな映画3、4本分の密度を持った、ラジニカーントの顔のように非常に濃い内容。
最近では、ちょっと人気の出たマンガ単行本十数巻分を、ムリヤリまとめて劇場公開しよう、なんて風潮があるようだが、こと「映画用のドラマツルギー」に関して言えば、我が国にも習うべき点があるのではと思ってしまった。
また、本作のキモであり最大のセールスポイントであるロボットのアクションが、いい意味でも悪い意味でも面白すぎるの一言。電車内での某マトリックスばりの超絶カンフーアクションに始まり、壁走り、360度首回し、はては逆子の分娩(笑)まで繰り出す「アリエネェ!!」「何でやねん!!」の音速連打で、終始腹筋よじれっ放し。
一部、なんとも言えない既視感に苛まれるのはご愛嬌としても(笑)、物語終盤、無数のレプリカ達との合体攻撃は、いろんな意味で映画史に残る名(迷)シーンで、観客全員唖然呆然とする事ウケアイ。
色黒ポッチャリのMrマリックみたいなオッサン達が、大真面目(?)にハンパないコンビネーションを繰り広げる姿は、相当に凄惨な場面にも関わらず大爆笑必至で、油断すると夢にまで出て来そうな強烈なインパクト。これは是非とも、劇場でご確認いただきたい。
まったく私見ながら、何か故・藤子・F・不二雄先生の短編SF(少しふしぎ)作品のような、面白おかしくバカバカしい中にもどこか仄暗い毒に似た、小さなパラドックス的な疑問を投げかけられた後味を残す点も評価したい。
果たして、本作のような感情を持ったマシーンが発明されるのがいつになるのか、高卒低所得の小生には当然与り知らないところであるが、翻って「テクノロジーとは何か」「自然であるとは何か」について少し考えてみるのも、いいかもしれない。
まあ、そんな御大層な映画でもないのだが(笑)。
細かい事を言えば、ところどころにCGのアラが見えたり、ちょっとご都合すぎるかなという点はある(具体的には、捨てられたロボットが拾われるシーン等)。そもそも、ロボットに眉毛をつける必要があるのか、わざわざ自分そっくりに作る意味は何だったんだと、ツッコミようはいくらでもある。
が、なぜかそれでも嫌いになれず、むしろそれら全部をひっくるめて大好きになってしまう、そんな不思議なパワーを持った映画。
これを観ると、小さな事でクヨクヨしていた自分がバカみたいに思えてしまう…事もないか?
ところで余談だが、本作のヒロインを演じるアイシュワリヤー・ラーイ。学生というには随分と歳がいっtゲフンゲフンもとい、どちらかという教師の方が似合いそうな風貌であるなと思いきや、ナント1973年生まれらしい。
という事は、小生より3つ上。しかも既婚であの美貌とは、まさしくSF(少しふしぎ)。アーユルヴェーダ恐るべし(エー)。
そんなわけで、小生の評価は…、
☆☆☆★★+++
途中のダンスは気にするな(笑)。星3つプラス3つ!!
ちなみに、日本用に一部カットされたダンスシーンを盛り込んだ「完全版」が公開中との事。ちょっと衣装がマイケルっぽいのは気にするな。気にするなッッ!!(クワッ)
あー、そういや本作って、どっかで似たような話し観た事あるなーと思いきや、そうだコレだ。内容は全然違うけど、ハッチャケ具合というか、エンタメ度としてはボリウッドの方が上かな。
あくまで個人的意見だから、他意はないよ。
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