「映画プリキュアオールスターズNewStage2こころのともだち」感想
プリキュアシリーズ10周年記念作品にして、オールスターズNewstageの第2弾。妖精学校で催されるパーティに紹介されたプリキュア達が、謎の影に襲撃され大ピンチ。
しかし、気がつけばプリキュアも既に10年か。前番組の「明日のナージャ」や「おじゃ魔女どれみ」でさえ、つい最近のような気がしていたのに。まったく、時間が経つのは早いのぉ(誰?)。
考えてみれば、同じ劇場に来ていた対象年齢と思しき幼女達が生まれたのも、「5GOGO!」か「フレッシュ」放送時期の前後のはず。そんな彼女彼氏らにとって、自分達が生まれる前の作品であるブラックさんのステゴロ花山パンチ、あるいはホワイトさんの連続理合い投げをどう観ているのか、非常に気になるところ。まあ、もしかしたら、小生の年代が1号ライダーやウルトラマンやマジンガーZにウキャウキャ言ってるのと、同じような感覚かもしれないが。
さておき。
さすがに10年という歴史を持つ人気シリーズだけに、登場するプリキュアも総勢32人。もはや一個師団に匹敵する員数と武力を、1時間半に満たないフィルムの中で無理なく、満遍なく動かすのは困難に違いない。そのためか、20人の大台を越えた前作から、プリキュアという世界観を使いつつ、映画オリジナルキャラクターをメインに置いた、外伝的ストーリー構成へとシフト。これも長い時間を経て、広く認知されるまでに世界観を築き上げてきた成果であり、その賜物であるが、同時にこれまでの「DX」や単体シリーズの劇場版にはあまり観られなかった「プリキュアととも成長していく」、または「プリキュアに触発されて奮起する」、言うなればよりメインユーザーに近い視点からの物語構築に成功している。
おかげで、メンバーの半分以上はセリフなしという非情な措置が取られはしたが、本シリーズ共通のテーマである「どんな相手でも、赦し、受け容れ、友達になろうとする心」をより分かりやすく、ダイレクトに伝わるよう描かれている点は、評価に値する。
正直に言えば、だいたいの場合、悪いヤツはどこまでいっても悪党だし、そう簡単に反省もしなければ心を入れ替わる事なんてありえないので、相応の罰は与えるべきだとは思うが、まだ純粋な未就学児にそんな薄汚れた大人の見解などどうでもよく、そもそも理解できまい。多少納得いかない部分はあるにせよ、これが初めての映画鑑賞である緒子達も多数いるだろうし、悪いと思ったら素直に謝ろう、友達を大切にしよう、といった、基本的な事から伝えるのがベターなのかもしれない。その意味では、この映画は正しい。
個人的には、メンバーの変身シーン→登場を、物語のクライマックスに持ってくる演出が、目にも鮮やかなコスチュームの色彩も相俟って、まさしくここからの逆転劇を象徴するかのようで良かった。思えば、本シリーズは最終必殺技を一切使わない事からも分かるように、戦闘そのものに重きを置いていない。それは、あくまでプリキュアは憧れであり、みんなを守ってくれるヒーローであるものの、成すべき事を成し遂げるのは自分自身であり、プリキュアはその背中を押してあげるだけの存在と位置づけているからと、勝手に推測する。
まあ何にせよ、ブロッサムとマリンにちゃんと喋ってたので、オールOKにしよう(エー)。メンバー屈指のウザかわキャラであり、脚本的にも使い勝手のよさそうなえりか様の事、今後ともセリフなしという事態はありえまい。嗚呼、可哀そうなSSとスイーt(以下略)。
しかし、前回は人間の少女、今回は妖精と来て、来年の「Newstage3」は何をやるつもりだろうか。お互いが出逢ってパートナーになる、ではあまりに安直なので、いっそ敵側をメインにするとか。悪の側から見たプリキュアってのも面白いかもしれない…が、子供相手の映画でそんな冒険はしないか。でもちょっと挑戦してほしいなーなんて。
ともかく、来年を待とう。
☆☆☆★★++
でもやっぱり、プリキュア映画最高傑作は「ハトプリ」だよなー、星3つプラスプラス!!
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