「ソウル・サーファー」感想
この手のノンフィクションものにありがちな、どっからどこまでがホンマか分からん「イイハナシダナー」的ストーリーとは一線を画す良作。正直、サーフィンはほとんど興味がない上に、ルールもさっぱり分からないのだが、無条件に胸を熱くさせてくれる作品だった。
実話が元だけに、鮫に襲われた事を除けば、飛びぬけて奇異な出来事はほぼ無し。しかし、左肩から下と全身の血液60%を失いながら、奇跡的に一命を取り止め、しかも、二度と近づきたくなくなるほどのトラウマになっても不思議ではない海に戻り、再びサーフィンを始めようと決意する彼女の姿は、ヘタな創作以上の見応えがあり、また充分以上の説得力がある。
べサニー演じるアナソフィア・ロブはもちろん、マスコミから好奇の目を向けられる娘を身を挺して守り、時に厳しくも優しく支える両親を演じるデニス・クエイド、ヘレン・ハント両氏をはじめ、ベサニーの親友で同じくサーファーを目指すアラナ演じるロレイン・ニコルソン、よき相談相手であり理解者でもあるサラ演じるキャリー・アンダーウッド等、出演陣の演技もまた素晴らしい。
ベサニーの救助中、パニックからか堪えきれず嘔吐するアラナや、そんな彼女を攻める事なく、「あなたがいてくれたおかげで、娘は助かった」と感謝する母親、そして何があろうと娘を信じ続ける父親。人間らしいリアルな反応と、血の通った温かみのある好演で、本作をより質の高いドラマへと昇華させている。
中でも個人的に推したいのは、ベサニーのライバル・マリナを演じるソーニャ・バルモレス・チャン。一見して粘着系のイヤな女でありながら、ハンデを負ったベサニーを特別扱いせず、あくまで対等な立場として勝負する心意気には「漢」を感じた(マテ)。
おそらく、某車田作品なら、大会後に主人公側の仲間となり、しばらくかませ犬ポジションを担いつつも最期は命がけの大技を披露、星座となって主人公達を見守るタイプ(笑)。
まあ、単純に日焼けショートカットで好みだったという点を踏まえて、実在か非実在かはさておいても、こういうキャラクターがいると物語がグッとまとまって良い。
これは突如として重いハンデを背負ってしまった少女の、再生と新生の物語であると同時に、そういった相手とどう向き合い、どう接するかを描いた作品ではないかと、小生は思う。
決して特別扱いせず、しかし突き放さない、適切な距離と言動を、サーフィンというハワイの共通言語を通じて、家族や友人を含めた皆が考える。その意味で本作は、一人の少女とその家族を中心とした、成長の物語とも言えるのかもしれない。
ぶっちゃけ、日本でサーフィンと言えば、ムダに真っ黒に日焼けした兄やんがナンパ目的でやるような、あまりいい印象のないスポーツのような気もするが(あくまで個人的なイメージで他意はありません。念のため)、きっとハワイの人達にとっては、日本の草野球か相撲、あるいはそれ以上に日常に溶け込んだ、いわば生活の一部のような存在に違いない。
こうした健全且つ勇気と克己心を与えてくれる作品こそ、彼女と同年代の若人は観ておくべし。ただ、水着美女の大群に別の部分が奮い立ってしまう場合も(以下略&最低)。
余談だが、鑑賞中ずっと気になっていた、ベサニーの失った左腕。あまりにも完ぺきに消えているので「まさか撮影のために切り落としたか?」と一瞬本気で思ってしまったが、どうやら普通にCGで消していたらしい。
にしても、あそこまで自然に見えなくするのは、相当な労力と技術が必要だったはず、ここ数年のCGで、一番感動した(笑)。
そんなわけで、小生の評価は…、
☆☆☆★★+++
欲を言えば、競技の採点方法をもっと分かりやすく解説してほしかった。DVDの特典で付くかしら?星3つプラス3つ!!
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