「メン・イン・ブラック3」感想

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  バリー・ソネンフェルド監督、トミー・リー・ジョーンズ×ウィル・スミス主演の人気SFアクションシリーズ第三弾。
 脱獄した凶悪宇宙人によって歴史が改ざんされ、捜査官Kが40年前に殉死した事に。捜査官JKと地球の危機を救うため、1969年7月15日にタイムスリップする。


 約10年ぶりの新作ながら、良くも悪くもいつもどおり。とはいえ、個人的にもう4、5年公開が早ければ、世間的評価も変わっただろうと思われる、そんな作品。

 マシンガンのごとく喋りまくるJと、それを苦虫を潰したような顔で受け流すKとのやりとりは、本作でも健在。お馴染みの対宇宙人用銃に加え、やたらバカデカい通信機や、CTスキャン然とした超巨大ニューラライザーなど、遊び心とレトロ感溢れる1969年仕様装備も面白い。
 中でも折りたたみ式(?)一輪バイクは、いかにも「懐かしき未来」といったデザインで、思わずニヤリ。スチーム・ボーイあるいはVガンダムを彷彿とさせる、男なら一度は乗ってみたいステキアイテムである。
(ちなみに、一輪バイク自体は既に市販されているそうだが、車検が通らないので公道は走れないんだとか。ちぇっ)

 また、若き(?)日のK演じるジョシュ・ブローリンが実にいい仕事。29歳というエイリアンよりムチャな年齢設定もさることながら、登場した瞬間からまるでトミー・リー・ジョーンズが本当に若返ったか、もしくは1作目の敵宇宙人よろしくジョシュの皮膚を来てるのかと見紛うほど、完ぺきにKを演じきってくれた。
 しかし彼、どっかで観た事あるなーと思いきや、「MILK」ハーヴィー・ミルクを殺したダン・ホワイト議員を演じた、あの人か。次回作があるかどうかは分からないが、その際は是非、Kが最新技術で蘇生した、など適当な理由をでっちあげて(ヲイ)再登場していただきたい(トミーの年齢も考慮して)。

 
 とはいうものの、正直タイムスリップ以外のアイデアの多くは既に出尽くした感があり、物語としての驚きや新鮮さがあまり感じられなかったのも、また事実。
 この手のシリーズをやる以上、もはや宿命のようなモノなのは充分理解しているつもりながら、これまで犬型に虫型、人型に人に擬態した型、さらにタコだかアメフラシだか型と、ありとあらゆるパターンのエイリアンが登場してきたため、今さらどんな形状のモノが出てきても大したインパクトはなく、イヤな言い方をすれば「普通」になってしまっているのは、なんとも惜しい。

 それから、前作、前々作ともに言える事で、シリーズの特色なのかも知れないが、どうにも物語の味付けが薄く、且つ軽く、チャッチコピーどおり「ノリ」でさらーっとストーリーが展開していく感覚を憶えてしまったのは、果たして小生だけか。
 おそらく老若男女楽しめる娯楽作を目指し、極力難解さや複雑さを排した結果なのだろうが、もう少しガッツリしたSF要素があっても良かった気がする。
 もっとも、そういうガッツリしたSFを求めていない人をメインターゲットにしているきらいはあるが…。

 
 まあ、そういった部分も含めても、カメオ出演しているセレブ(本来の意味での)達を探してみたり、はたまた単純にノリを楽しんだりと、気軽に観られる作品である事には変わりない。
 1作目、2作目を観てなくても問題ないと思われるので、シリーズものだからと敬遠している人でも大丈夫。多分。


 ところで疑問。改ざんされた過去を元に戻した事で、そこで死ぬはずだったKの代わりに、「あの人」が死ぬわけだが、ならば最初に改ざんされた世界線(違)では「あの人」は生きている、という事なのだろうか。
 ネタバレになるかもしれないが、だとしたら、J自身にも何らかの変化があるはずなのでは?それとも、あれもチョコミルクの効能とか?


 とにかく、そんなわけで、小生の評価は…、

 ☆☆☆★★+

 星3つプラス!!

 で、結局なんでKはいつも苦虫を潰したような顔をしてるんだ?若い方の初登場時から既にあの表情だったような…。
 

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