「ドローン・オブ・ウォー」DVDで視聴

 公開当時、興味はあったものの、上映館が異常に少なく、また上映期間も恐ろしいほど短かったため、結局スルーしてしまった作品。

 いやしかしコレ、映画館で観てたら星4つつけてましたわ。ドローンの遠隔操作による、遥か1万数千キロ離れたテロリストのアジトを爆撃するアメリカ空軍隊員の苦悩を描いた物語なのですが、効率的かつ安全である一方、罪のない民間人まで一緒に巻き添えにし、その血と肉片が飛び散るさまをモニターで確認するという、ある種現実感とかけ離れた、命のやり取りが行われているとは思えない異常さは、観ているこちらも精神が病みそうになる気分でした。

 戦争映画にも関わらず、爆音らしい爆音はほとんどなく、淡々と命令に従い、ミサイルを発射するという行為が、逆にその異常さを物語っているようでした。現地で戦い、心を蝕まれていく兵士を描いたアメリカン・スナイパー「ハートロッカー」とはまた違った、しかし確実に人間を内外から壊していく戦争の恐怖を、まざまざと見せつけられました。

 序盤、主人公の上司が発する「政府は認めていないが、これ(ドローン)の中身のベースはXBOXだ。しかしこれはゲームではない。正義、対象の排除、どんなにキレイ事を並べようと、人殺しである事に変わりはない」といったセリフが、胸にズシーンと刺さります。


 もっとヒットしてもよかったのに、なんでマイナー映画扱いなんでしょう、コレ。とにかく、オススメです。