「劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ 〜逆襲のミルキィホームズ〜」感想


 ブシロードクロノギアクリエイティヴ企画・原作のメディアミックスプロジェクト「Project MILKY HOLMES」を基にしたテレビアニメシリーズの劇場版。「敗者復活の宝石」を狙う謎の怪盗に、ミルキィホームズが敢然(?)と立ち向かう。

 プロジェクト発足から約5年半、実に4度(ふたりはミルキィホームズ含む)のテレビアニメシリーズを経ての、まさに集大成とも言うべき今回の劇場版だが、期待していた水準に遠く及ばない出来で、正直ガックリ。絶頂期の満足度を10とするなら、本作はよくて4〜5といった具合で、待った甲斐とチケット代には到底吊り合わない内容だった。

 ストーリー的には、だいたいテレビシリーズの延長。1期、2期同様、雷に打たれて再びトイズ(要するに超能力)が使えなくなったミルキィの面々のダメダメさ加減を中心に、物語が展開されていくわけだが、劇場版ならではのスペシャル感、あるいはテレビシリーズでは出来なかったような要素は、ほぼ皆無。
 小衣ちゃん言うなー!や、トゥエンティのTKB等、いつもどおりの定番ネタ、と言えば聞こえはいいが、実際はかなりマンネリ気味。そこそこのピンチ、あるいはシリアスな場面もあるにはあったものの、ギャグパートとの使い分けがよろしくなく、全体的にバランスの悪さを覚えてしまった。

 また、肝心のそのギャグに関しても、従来のキレ、もしくは「なんでこんなにメチャクチャやって、誰にも怒られないんだろう」と不思議になるぐらいの毒がすっかり薄れ、ゆるい日常系アニメ然としてしまったのは、痛すぎるミステイク。
 もしかしたら、本当に誰かに怒られたからなのかもしれないが、パロディ一つ取っても、無難というか、分かりやす過ぎるというか、麻雀で言うと、振り込みを恐れるあまり、現物と安全牌ばかり切っていくような、悪い意味での大人しさ。かつては、刃牙ジョジョなどの「それ、誰が理解できるんだよ!」とツッコみたくなるレベルの超マニアックな危険牌をガンガン切り倒し、無理やりにでも高得点役を狙いに行く、そのクレイジーさこそが持ち味であり、同時に本作を牽引するエンジンでもあったのだが…。

 まあ、これが最後と決まったわけではないし、そのうち某宇宙戦艦よろしく復活する可能性もなきしもならずなので、テレビシリーズ5期、または次の劇場版を気長に待つとしよう。さすがにこれで終幕とは言うまい。


 ところで疑問。冒頭、劇場マナーについての動画が、コーネリアさんVer小衣ちゃんVerの二つ流れたが、あれは観る回によって変わったりするのだろうか?だとしたら、全部で何パターンぐらい?法則とかあるの?


 じゃ、超簡単だけど、今回はこの辺で。

 ☆☆☆★★−−

 つーか、別に逆襲してなかったよね。むしろされてたよね(エー)、星3つマイナスマイナス!!

激情!ミルキィ大作戦 [ ミルキィホームズ ]
価格:1296円(税込、送料無料)