「エージェント・ウルトラ」感想


 プロジェクトXニマ・ヌリザデ監督ソーシャル・ネットワークジェシー・アイゼンバーグ主演。かつてCIAが極秘が行っていた洗脳実験「MKウルトラ計画」を題材に、冴えないコンビニ店員がスーパーエージェントに覚醒し、自身と恋人を守るために戦う姿を描くアクションコメディ。

 つまらなくはないが、割と普通。可も不可もなく、しかし取り立てて特筆すべき点もない。ひょっとして、もうすぐ公開のバットマンVSスーパーマンのプロモーションのために、作中で悪役演じるジェシー・アイゼンバーグの日本未公開主演作を出してアピールしておこうという魂胆か?といった邪推すら浮かんでしまう、そんな出来(配給会社が違うので、そんな事はないとは思うが)。

 クリステン・スチュワート演じる彼女とハッパ吸いながらイチャイチャしてるポンコツ男が、ある事件をきっかけに突然スーパー戦闘マシーンに変身と、これまで何度観てきたか分からないようなありきたり設定もさる事ながら、その後の展開も、ほぼどこかで観たようなシーンのコピー&カット&ペーストで、新鮮味は皆無。
 加えて、アホアホカップルの痴話喧嘩やら、ジェシーの子犬然とした豆腐メンタルやら、正体バレバレの彼女やら、敵キャラのウザさ加減が相俟って、悪い意味でのB級臭に拍車をかけている。

 CIA側のゴタゴタ、特に主人公を助けようと翻弄するコニー・ブリットンと、彼女に協力を求められながら、組織からの圧力の板挟みに苦悩するゲイのCIAエージェントはなかなか良かったものの、本作の価値を底上げするまでには至らず。
 また、装甲車に花火を搭載して敵陣に突っ込んだり、ホームセンター内の小道具を駆使して戦うクライマックスも悪くはなかったとはいえ、ちょっとバカに徹しきれてない面、及び、この道具をこんな使い方するのかといった驚きが弱く、全体的に中途半端な印象を受けた。
 言うならば、見所が見所になっていない感じ。例えば「イコライザー」のデンゼル・ワシントンよろしく、即席で武器を作り、トラップを仕掛ける場面がもう少しあっても。

 ここ数年、この手のスパイもの、エージェントものが立て続けにヒットしているが、それだけに、生半可な出来では客は満足できないという典型例と言える。例によって、休日家でゴロゴロしながら、ビール片手に観るにはちょうどいい内容ではあるものの、無理してまで映画館で観るほどの完成度ではないかと。


 どうでもいいけど、アメリカではカップラーメンの蓋を全部明けてからお湯を入れるのが普通なのか?麺をすする文化のない向こうでは、麺そのものが短くなっていると聞いた事はあるが、それに合わせて調理法も違うのだろうか。そもそも、メリケンってラーメン食べるの?


 ☆☆☆★★

 てか、そんなにスプーン使ってないよね?星3つ!!

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