「手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー THE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド」感想
年始恒例、新旧2大スーパー戦隊が一堂に会するクロスオーバームービー「スーパー戦隊祭り」第8弾。闇クローンを使って世界を闇で包もうと企む闇博士・マーブロの野望を阻止するべく、ニンニンジャーとトッキュウジャーがタッグを組んで戦いを挑む。
毎年、大きなハズレがなく、お手頃価格の上に色々お得感満載でお馴染みの同シリーズだが、今年もまた、非常に安定した出来。
ストーリーはいつも通り、適度のスリルとハラハラドキドキ、そして絶体絶命のピンチを切り抜けての大勝利と、老舗の定食屋メニュー。それでも、毎回飽きずに鑑賞できるのだから、このフォーマットがいかに完成されているかが、窺い知れるというもの。
ともにコメディ色強めながら、シリアスにも対応できるニンニンジャーとトッキュウジャーそれぞれの相性も良く、揃ってイケイケドンドンタイプのアッパレくんとライトをはじめ、各キャラクター同士の掛け合い、バランスも、まるでずっと前から一緒にやっていたような感覚を覚えるほど、見事にフィット。
冒頭からロックスターにスパイ、さらに花嫁と目まぐるしく変身、ついにはみんな揃って忍者装束という見た目の楽しさもさることながら、お互いのテーマである「家族」「家に帰る」をさりげなく盛り込み、ドラマ面にしっかりとメリハリをつけている点にも注目したい。
敵役である南海キャンディーズ・山里に関して言えば、幼児性とその裏に潜む凶暴性を醸す、憎たらしさの中に愛嬌…と見せかけてやっぱり憎たらしいマーブロのキャラクターとうまい具合にマッチ。想像以上のハマり役っぷりで、物語をより盛り上げるのに、文字通り一役買ってくれていたと評したい。
さすがは、「SM嬢に亀甲縛りで放置プレイされてる醜態写真を週刊誌に売りつけると脅されたものの、どこの編集部からも買ってもらえなかった」「贔屓にしてたフーゾク嬢が、これ以上指名されたくないという理由で遠方の別の店舗に逃げた」「もはや存在自体が悪」等、数々の伝説を持つ男(ケンドー・コバヤシ談)。ああいうアクターは割と貴重なので、日本映画界も彼をそこそこ大事にしてあげていただきたい(エー)。
不満点があるとするなら、やはり「ニンニンジャー」本編にも言える事だが、複雑さやゴチャゴチャした展開を避けるためか、時折色んな工程をすっ飛ばし、一瞬ポカンとさせられてしまう点。特に、アッパレくん消滅から復活する一連は、「イマージネイショーーン!!」と呼ぶには少々大雑把すぎるというか、もしかしたらこういう事か?と思わせる要素もあるにはあるにせよ、あまりに唐突に思えてしまった。
それから、シャドーラインの幹部たちが闇クローン忍者となって甦ったのはともかく、できれば皇帝とグリッタさんが最終回(及びVシネ)の後どうなったのかも、観たかったところ。
個人的には、二人の間に「オードン(韓国語で『闇』の意」という名の子供が出来ていると予想していただけに、ちょっと残念。
とはいえ、映画ならではの合体手裏剣忍法や、覇王シュリケンジンとトッキュウオーとビルドレッシャーのスペシャル合体と、見所も満載。両作のファンなら、観て損なしの内容。
余談、新戦隊のジュウオウジャー。主人公の武器が蛇腹剣なのも驚いたが、これまで以上にメンバーのやたら軽いノリが気になった。香村さん脚本なので、その辺上手く扱ってくれると思うが、果たして…。
で、多分6人目の戦士は銀色のジュウオウウルフなんだぜ(笑)。むしろ、あえて黒いジュウオウゴリラ出てきたら笑う。
☆☆☆★★++
しかしワニュウドウ、狐としてはあんな扱いでよかったのか…?星3つプラスプラス!!
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