「ヒロイン失格」感想


 別冊マーガレットで連載された幸田もも子原作のコミックを、高校デビュー英勉監督「女子ーズ」桐谷美玲主演で実写化。

 いわゆる一般的な少女漫画における「あるある」に対する皮肉とアンチテーゼを含みながら、良くも悪くも少女漫画らしい少女漫画に落とし込んだ作品。ただそれゆえに、小生のようなオッサンにはむず痒く、また理解不能に思えてしまう点が多々見受けられた。

 いや、本来原作読者と同じくJC、JKを対象にした作品であるので、この終始ぶっ飛んでいるようで実は王道的、別の言い方をするなら旧態依然とした構造に難癖をつける事自体ナンセンス他ならないわけで、それを言ったらいい歳こいてテメェが毎週見てるスーパー戦隊だって、何十年も前から基本スタンス変わってねぇじゃんかと言われれば、正直ダンマリを決め込むしかない(エー)。

 とは言うものの、桐谷美玲演じる主人公はとりと、彼女を巡るトライアングラーぶっかます山崎賢人くん演じる利太坂口健太郎くん演じる弘光、メイン3人の行動理念がさっぱり受け入れられず、まったく感情移入できなかったのは、ぶっちゃけ如何ともしがたく。まして、出逢っていきなり接吻ぶっキメるわ、突然上から目線で説教はじめるわで、どうして誰も彼の殴らないのか、不思議でしょうがなかった。
(そういえば、同じクラスだと言っていたから、もしかしたら前々から気になっていたのかもしれん…と、たった今思いついた)

 もちろん、内容的に箸にも棒にもひっかからんというほどではなく、要所要所に入るギャグパートには笑わせていただいたのだが、それ以上に(あくまでオッサン視点では)ツッコミどころが多すぎて、特に花火のシーン以降、中盤から後半にかけての展開からは、3分に一回のペースで「ナンデヤネン!!」と思わず小言でつぶやいてしまった。

 しかし世のティーンズ達は、顔さえよければあんなナヨナヨした優柔不断な男子や、無駄にチャラくて女にだらしないヤングメンが良いのだろうか…。まあ、男が思うカッコよさと、女性が男に求めるカッコよさには絶望的な隔たりがあるそうだし、モテないジジィの僻みと受け取ってもらって大いに結構なのだが、まったく個人的な見解を言わせていただくと、どうもあの二人がそんなにモテる要素を、顔以外に見出せなかった。結局イケメンは何やっても許されんのか。ブサイクが意中の女性に付きまとったらストーカーで、イケメンなら一途で純粋な人か!!エーコラ!!(大暴言)

 閑話休題

 というわけで、今回は映画の感想というより、この手の話に付いて行けなくなったオッサンが、個人的な愚痴を書き殴っただけになってしまいました事を、ここに深くお詫び申し上げます。まあ年々、日本の出生率は減少しているとはいえ、それでも毎年中学、高校生になる女児達がいるわけだから、きっとこういった作品も必要なのだろう、ウン。

 余談だが、本作のメインヒロイン(?)安達さんを演じる我妻三輪子。どういった経緯かは存じ上げないが、六角精児氏に似てるという設定の役を演じるにあたって、葛藤、あるいは抵抗のような感情は芽生えなかったのかを含め、一体どういう子なのかとウィキペディアで調べてみたところ、なんと彼女、ゆるゆり1期OPを作詞を手掛けた、作詞家でもあるらしい。
 彼女がいなかったら、おそらく小生は掟破りの途中退場をかましていただけに、今後とも各方面での活躍を期待したいところ。


 ☆☆☆★★

 ちなみに小生が思う「トンデモないイケメン」は、アル・パチーノブラッド・ピットです(エーー)。自分の中で消化しきれないので、参考記録として星3つ!!