「テッド2」感想


 セス・マクファーレン監督、脚本、主演(CV)の大ヒットコメディの続編。前作から数年後、命を持ったテディベア・テッドが、結婚相手との間に子供を持つべく、親友のジョンとともに大騒動を巻き起こす。

 可愛らしい見た目に反して、中身は下ネタと酒とハッパとB級映画大好きな中年オヤジテディベア・テッドが、またしても大暴れを繰り広げる本作。この手の作品の宿命か、確かに前作ほどのインパクトはないものの、その点は前作以上のドギツい下ネタとエグいジョークでカバー。
 エロ動画満載のノートPCをハンマーでぶっ壊した挙句、なぜか海底に沈めたり、「ハリウッド一のカワイコちゃん」ことアマンダ・サイフリッドがポ○チン型のパイプでハッパキメてたりと、あまりにエッジが利きすぎて、観る人によってはドン引きしてしまうであろう箇所も多々見受けられるが、下手に遠慮せずにやりたい事をやりきったという意味では、逆に清々しさすら覚えてしまった。

 また、今回は養子縁組に端を発し、人間の定義は何かという、割と重厚なテーマを扱っている点にも注目。実は多くのSF作品、日本でも手塚治虫先生火の鳥等でも度々論じられてきたテーマではあるが、法の見地から世相への皮肉も込めつつ、比較的ライトに分かりやすくまとめていた点は、高く評価。
 多少、最後の展開に疑問は残るとはいえ、クマのぬいぐるみにこれ以上を望むまい。

 はっきり言えば、上記したように個々のギャグはドギツくて打率はそれほど高くなく、伏線かと思わせといて何にもないといった肩透かしな演出も多い。もっと言うなら、前作を観ている人にとっては冒頭から「えーっ?!」と思わず叫んでしまいたくなる場面もあるのだが、ルートビアよろしく「ハマる人はとことんハマる作品」だと察する。
 それにしても、あんな実在の企業やら人物やらバンバン登場させた挙句、散々こき降ろして、後で怒られなかったんだろうか。なぜかレギュラー化してるサム・ジョーンズと、結局何しに来たのかよく分からないリーアム・ニーソンはともかく、コミコン会場であんだけ版権キャラ(?)使って、それこそ訴訟起こされたら勝てないのでは…。
 まあ、それはそれで面白かったけど(エー)。

 ちなみに、個人的に笑ったのは、「スーパーマンの新作発表会でマーク・ウォークバーグが大ブーイングしてるところ(笑)。かなり屈折してはいるけども、監督の映画愛がガッツリ詰まった作品。


 ☆☆☆★★++

 つーか、テッドの人権が無効になったら、それまでの前科や借金も全部チャラになるんじゃね?(クズの発想) 星3つプラスプラス!!