「トゥモローランド」感想


 ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルブラッド・バード監督ゼロ・グラビティジョージ・クルーニー主演ディズニーパークの同名のテーマランドを題材に、全てが可能になる夢の未来世界を巡って、大冒険を繰り広げるSFアドベンチャー

 ちなみに小生自身、ディズニーランドは高校の修学旅行で一度行ったきり、それもアトラクションの列に並ぶのがバカらしいという理由で、一日中ゲーセンに引き篭もっていたので、当然同テーマランドについてはさっぱり存じ上げなかったりする。まあ、ディズニーというブランド自体が、都市伝説の塊みたいな存在なので、きっとその辺を題材にした作品なのだろうと思いきや、思いのほか関係なくて少々ビックリした。

 とはいえ、ランドセル型ロケットジェットで空を飛び、リペット丸見えのハイテクマシンが唸りをあげる、5、60年代のアメリカテイスト満載の、レトロ・フューチャーなこの世界観は、単純にものすごく好き。曲線を大胆に組み合わせたアーティスティックな建造物も面白いが、やはりいい意味で洗練されていない、無骨さの残るデザインには、男心を、否、少年心を擽られ、思わずテンションが上がってしまった。

 そんなビジュアル面に加え、展開、そして演出面でも、監督のセンスがキラリ。数々の未来ガジェットを駆使し、時に敵サイボーグ軍団を蹴散らし、時に窮地を乗り越えるスリルと興奮は、どことなく「インディー・ジョーンズ」ナショナル・トレジャーを彷彿とさせ、またエッフェル塔がロケットに変形するなど、度肝を抜く仕掛けもグッド。
 オッサンと小娘と謎の少女という、主人公3人のやりとりも面白く、特にラフィー・キャシディ演じるアテナの、見た目のキュートさはもちろんの事、意外な戦闘力の高さと毒舌ドSキャラは完全にツボ。まるで往年のタツノコアニメを観るような小気味よいテンポが、物語をさらに見応えのあるものへと相乗させていると感じた。

 個人的には中盤、ジョージ演じるフランクの家がサイボーグ軍団に襲撃される一連のシーンと、ブリット・ロバートソン演じるケイシーが、ピンバッチの力で垣間見た未来世界のワンカット映像がお気に入り。あの場面だけYoutubeで配信されていたら、しばらく眺めていてもいいかなと思えるくらい、エンターティメントとして完成された絵だったと評する。

 ただそれだけに、ストーリー面、特に後半の流れが少々駆け足気味で、説明不足だったり、あっさりし過ぎに感じられたのは、非常に惜しいところ。小生の勘が悪いだけなのかもしれないが、結局どうしてケイシーが選ばれたのか、あの点数は何だったのか、ラスボスは何が目的で、何がしたかったのか等、色々ともや〜っとしたまま終わってしまった印象を受けた。

 また、これは勝手な願望なのだが、できれば最後もハリウッド恒例の撃ち合い殴り合いではなく、近未来らしく、あるいはディズニーらしく、知恵と勇気で立ち向かう展開にしていただきたかったところ。それこそ「インディー」よろしく、ケイシーが機転を利かせて大逆転、みたいな。
 夢と希望に満ち溢れた未来を信じようぜ、的なメッセージを含んだ本作ならばなおの事、その辺にも気を配ってほしかった。なんとも勿体無い。


 まあしかし、よくよく考えてみれば、少女が異世界の不思議な力で、夢と希望のために戦うって、コンセプト的にはプリキュアとほとんど一緒だな(ソウカ?)。という事はアレか、ケイシーブラックで、アテナルミナスだとすると、消去法的にジョージホワイt(以下略)。いや、むしろメップルミップr(ダマレ)。


 閑話休題

 繰り返しになるが、作品としてはものすごく好き。上記した欠点も多々あるものの、ディズニー好き、SF好きなら充分に楽しめる内容かと。ただしプリキュア好きにはそんなにオススメできn(以下略)。

 じゃ、今回はこんな感じで。


 ☆☆☆★★++

 ところで、エンドロール直前に出てきた路上ミュージシャン役の日本人は何者?星3つプラスプラス!!