「HK/変態仮面」感想


 週刊少年ジャンプに1992年から一年間連載された、あんど慶周原作の伝説的ヒーローコミックを、コドモ警察福田雄一監督・脚本、鈴木亮平主演で実写映画化。ドMの刑事とドSのSM女王を親に持つ高校生・色丞狂介は、女性のパンティを被る事で超人的パワーを発揮するヒーロー・変態仮面に変身し、巷にはびこる悪を懲らしめるべく、日夜戦い続けるが…。

 原作の大ファンだという小栗旬(脚本協力で参加)のゴリ押しで実現したという本作。監督が「平成のエド・ウッドこと福田雄一だけあって、正直公開前からかなり不安であったが、意外なほど完成度が高く、逆に驚いてしまった。
(ちなみに、本当は小栗くん自身が変態仮面を演じたかったそうだが、「イメージが壊れる」という理由でCMスポンサーからことごとくNGが出たとの事。じゃあ鈴木亮平くんのイメージはどうでもいいのだろうか。彼も一応妻子ある身なのだが…)

 変態仮面の変態的ポージングに、「地獄のジェットトレイン」「地獄のタイトロープ」等、変態奥義の数々の異常な再現度の高さもさることながら、この役のために一年間鍛え上げたという肉体美が凄い。ともすれば陳腐になりがちな世界観に恐るべき説得力をもたらし、同時に超大バカな事を大人が大真面目にこなすという、本作の本質を文字どおり体現している。
 
 実写化にともない、シナリオ面に多少のシリアス要素も加えられながら、根本的な部分でのブレはなく、むしろそれさえもおかしみに変えてしまう圧倒的くだらなさは、偏に脚本の良さ…ではなく、作品そのものの持つパワーだろう。何しろクライマックスまで来て、主人公がヒロインに向かって言うセリフが「君のパンティを、俺にくれ」である(笑)。たとえ主演がトム・クルーズロバート・パティンソンでも、ここでクールに、且つカッコよくは決められまい。
 まあそれ以前に、いくらトムさんが出たがりでも、女物のパンティ被って半裸で変態ポーズを決めてはくれまいが(笑)、ムロツヨシ佐藤二朗といった福田作品常連メンバーの怪演も珍しく噛み合い、原作ファンも納得の内容に仕上がっていたと評したい。

 個人的には、某蜘蛛男の制作スタッフが観たら激怒されそうなOPと、「なんでやねん!」とツッコみたくなるほど気合の入ったVFXも含め、こんなふざけた内容にも関わらず、ムダにいいキャメラを使っていたのが密かにウケた。おそらく、ハリウッドでは既に標準化されつつあるという4Kと推測するが、邦画でお目にかかるのは多分これが初めて。しかも、そんな高画質で変態仮面のおいなりさんやプリンとしたお尻をビビッドレッドオペレーションばりにこだわり貫いたアングルでフィルムに納めているのだから、まさしく作中、変態仮面に成敗される悪党の気分が味わえる事ウケアイ。実際、小生の鑑賞中も、事あるごとに女性客の悲鳴にも似た笑い声が響き渡っていた。
 逆に言えば、同じバカをやるならここまで徹底しないと笑いには昇華できないという、よい見本とも取れる。それにしても、撮影とはいえあんな犯罪ギリギリの恰好で人混みの中を白昼堂々全力疾走して、通報されなかったのだろうか。どうやって撮影許可を取ったのか、非常に気になるところ。


 原作で人気の高い春夏ちゃんが未登場な事と、ラストが少々微妙な点を除けば、概ね大満足の出来。なお、もし続編が制作されるのであれば、日本が誇るもう一人の変態ヒーロー・けっこう仮面とのコラボをお願いしたい。大開脚ジャンプで敵を挟み撃ちにする「ダブルおっぴろげアタック」とか、二つの股間が交互に攻めてくる「変態ヘル・アンド・ヘブン(仮称)」とか、是非とも実現を!!(多分ムリ)


 ☆☆☆★★+++

 星3つプラス3つで、クロスアウッッ(脱衣)!!!



勇者ヨシヒコと魔王の城 DVD-BOX [ 山田孝之 ]
勇者ヨシヒコと悪霊の鍵 DVD BOX [ 山田孝之 ]
ミスマガジン2010 清水富美加 [ 清水富美加 ]
[rakuten:edion:10069384:image]
エド・ウッド・コレクション [DVD]
ビビッドレッド・オペレーション 1【完全生産限定版】【Blu-ray】 [ 佐倉綾音 ]
けっこう仮面 新生 [ 希志あいの ]
[rakuten:kenkocom:11051155:image]
[rakuten:genki-sexy:10000123:image]
[rakuten:kimura-shokuhin:10000114:image]